「眼差しの暖かさ」シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢 十二滝わたるさんの映画レビュー(感想・評価)
眼差しの暖かさ
実在する手作りの宮殿を題材にしたこの映画はフランス南部に広がる豊かな自然と貧しい村での生活を優しく美しく描きながら、何よりも脚本家である監督による登場人物の美しい設定により先駆的な宮殿の美しい物語を今日に蘇らせた。
シュヴァルを見つめ寄り添い、彼を理解しようとする妻、娘、息子、上司、友人、こうした人々の暖かい眼差しは交響楽のように、どれ一つ欠けても、美しい感動物語としては成立しなかったであろう。
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