ファイティング・ファミリーのレビュー・感想・評価
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小畑千代って知っているかな?
小畑千代は、クラッシュギャルズやビューティペアよりも前の日本女子プロレスラーの先駆者で、1968年に女子世界王座を獲得した日本人である。当時TVでタイトルマッチが放映され観た記憶がある。得意技は吊り天井ロメロ・スペシャル。
以前、全米には主要なプロレス団体が3つあった。ミネアポリスのAWA 、ニューヨークを中心とした WWWF、全米をカバーするNWA。
WWWFは、WWFに改称し、後にWWEとなりケーブルTVと組んで勢力を拡大し、衰退したNWAに変わり全米一の団体となった。
「アイアンクロー」は兄弟がNWA世界ヘビー級チャンピオンを目指す話だが、本作はイギリスの片田舎で家族プロレスをしていた少女が、夢だったWWEの女子世界王座を奪取した実話に基づく話である。
「アイアンクロー」のレビューをきっかけに、レビュアーの方々の強力推しに速攻アマゾンに発注した。だってF.ピューが主演なんだもん。(親の介護等で一番映画館に行ってなかった頃なので劇場で観ていない)
今日は公開初日の「プリシラ」に行こうと思っていたが、DVDが到着したので「ファイティング・ファミリー」をDVDで鑑賞。
イギリス北部で家族でプロレスを興行しているナイト一家。娘のサラヤ(フローレンス・ピュー)は小さい頃からリングで兄と対戦している(ミクストマッチ)。リングネームはブリトニー、しかしペイジに変える。
ロンドンのWWEスマックダウンの会場で行なわれたトライアウトに兄妹で参加し、会場に来たスーパースターの「ザ・ロック」ドウェイン・ジョンソン(本人)と対面し助言を求める。「プロレスは脚色された世界だが、ファンはウソを見抜く。自分を出せ!」
興奮した二人はトライアウトを受けるが、妹だけが合格する。
妹は渡米してWWEの新人育成施設NXTに入るが、トレーニングのハードさ、アメリカ人の仲間とも打ち解けられずホームシック等で心が折れそうになる。兄に電話しても合格出来なかった兄は妹の電話に出ない。
故郷のクリスマスの特別興行に参加するため帰国した妹の辞めたいと言う弱気に、兄は試合でツームストン・パイルドライバーをお見舞いしてKOする。「お前は夢を捨てた!」
父親は悩む娘に「親の望みでも自分が嫌ならしなくていい」(ここが「アイアンクロー」と違う所だ)
ペイジは、アメリカのNXTに戻り、辞めない事をコーチ(ビンス・ボーンがいい味を出している)に告げ仲間とも打ち解けトレーニングに励みNXTの試合デビューを飾る。
レッスルマニア(WWEのイベント)の試合会場でペイジは抜擢されチャンピオンに挑戦する機会を得る。
試合前、落ち着かないペイジは兄に電話する。兄は電話で「自分を出せ」と応援し、妹は試合に向かう。
チャンピオンAJリー優勢のうちに試合は進むが(さすがにトップロープからのブレーンバスターを食うのはピューのダブルか)、最後に兄の得意技ザックアタックを決め、千載一遇のチャンスをものにして、ペイジはチャンピオンベルトを掴む。生中継を見る故郷の家のTVの前は、もう大騒ぎだ。
ペイジは、WWE初登場で最年少のディーバス・チャンピオンとなったのだ。(記録では2017.4.7の事だ)
「ファイティング・ファミリー」は、家族でともに戦うプロレス家族の兄妹愛、家族愛の実話であった。
DVD特典映像によれば、
フローレンス・ピューは、実際に4週間NXTでトレーニングしてから撮影に臨んだ。
兄嫁の家族を囲んで食事をするシーンがあるが、嫁の父親役が監督のスティーブン・マーチャント。
ドウェイン・ジョンソンは、ぺイジのドキュメンタリー(ラストのクレジットに一部が映る)を見て、この映画を製作し、自ら出演もしている。
ペイジのタイトルマッチの撮影は、RAWの試合会場で試合終了後、約2万人の観客に残ってもらい、1時間で撮影された。
日本では女子プロレスは色物と見られていた(昔はキャバレーとかで試合をした事もあった)が、小畑千代の世界戦中継が高視聴率を取った事から女子プロレスも注目され、赤城マリ子、ビューティペアの登場で女性ファンも黄色い声援を送るようになった。
WWEでもペイジの活躍により女子プロレスの放送枠が拡大したと言われている。
どこでもパイオニアが道を開くのである。
家族の話だね。
ローラボールダィアリーズとか、思い出すね。
若草物語のフローレンスビューがいいね。
プロレス一家の1番下の妹がWWEに選ばれて
兄は、拗ねるやね。
しかし、ショービズの世界は、いろんな目的で
みな稼ぎにきている
厳しい世界なんだ。
自分を信じてやるしかないな!
ラストは、泣いてまいました。
成し遂げた人とそうでない人の物語
21歳の若さで世界最大のプロレス団体WWEの女王になった女子プロレスラー・ペイジとその家族の、実話をもとにした映画。ペイジが夢を叶えるまでの物語だが、一緒にテストを受けに行ったのに、スターになる条件として“something extra“がないと言われ落とされた兄ザックの物語でもある。何者にもなれないひとがどう居場所を見出すのかに胸を打たれるよね。まあともかく、最後にはプロレスを観にいきたくなります。
教官が良かった!!
「CREED1」や「ダンガル」レベルの熱さを期待しましたが、結局逃げ続けたマイクパフォーマンスも試合数も全く物足りなかったです。主人公はDIVA候補のモデル達にコンプレックスを感じて勝手に見下して逃げ帰っただけのように見えましたが、何か曖昧なまま復帰して継続した鍛練も無くいきなり大舞台が用意されているのは、かなり雑に感じました。家族はノリ重視でいつも楽しそうなのは良いのですが、アドバイスするよりも期待をかけ重圧を与えるだけのような印象でした。私には簡潔なアドバイスと即決の判断力を併せ持った教官がかえって際立って見えて、素敵でした。結局の所、ドウェインに忖度しただけの作りになってしまい、伝記映画としても、昨年の「アイ,トーニャ」の方が自分も家族も晒け出していて、断然上でした。イギリス訛りや魔女学校、箒を折ってやる等と弄られるのは中々美味しかったので、やはりエミネムのようにマイクで言い返して楽しませて欲しがったです。男性ばかりの車内が臭そうでしたが、娘を差し出せ!!と合唱するシーンは良かったです。主人公は序盤で根拠の無い自信を打ち砕かれ、またチンチクリンなのでどう覆すかを期待して観ていましたが、特にカタルシスは何も無かったので何だこれと興醒めで、やはりスタイルが良い女が最高だし、ドウェインに良作無し!!いう残念な感想です。また以上のようにストーリーは正直不満ですが、兄がドウェインを何度も呼び止めてイラつかせる、ドウェインからの電話で父が偽者だと言う、「妊娠させて」、「妹で勃起するな」等のおふざけは一丁前なので、残念ながらバカが作った映画だという結論です。
とっても面白い
登場人物が魅力的で、友達や親せきにいて欲しいような気持ちになり、何かというと涙腺を刺激される。めくらの少年にプロレスを教えるところでもう涙だし、妹が飛行機で旅立つところでもう涙。その場にいられないお兄ちゃんの気持ちもつらい。
クライマックスのタイトルマッチは、全女と同じく結末を決めずにガチのプロレスのような表現で、そのため本気で感動して涙が出る。
周囲の大切さ
自分もスポーツやってた身からするとこういう映画はやはり勇気づけられ、とても興奮しながら終始鑑賞が出来るとても有意義な作品の一つであった。
まずなにより実話だからとても見やすい。無駄な伏線などはなく、ありのままのナイト一家の家庭をまずは描き、そこでナイト一家のことをある程度理解できた。
そして次に研修でのコーチ、ライバルや仲間との関係性を描き、そこでの苦悩や兄との苦悩を描いてくれペイジに感情移入がしやすく、そして最後はペイジの成功を見届けることができるわけだからとてもハッピーな気持ちで作品を観終えることができた。
今回ペイジはあらゆる場面で家族の存在が大きかった。
まずはプロレスに興味を持ち、その道へ導いてくれた両親、兄の存在。そこから中々自立ができず家族に依存してしまい、研修中では仲間やライバルとうまくいかず孤立してしまう。
一度は挫け逃げ出そうとしたときに家族と一時を過ごすことで再度研修に戻り、今までいい関係性を築くことができなかった仲間やライバルと絆がうまれ、辛い練習も互いに励まし合い乗り越えていってた。
序盤は研修仲間の女子レスラー達は意地悪のように見えた。確かにモデルやチア出身でペイジのように子供の頃からレスリングをしてた者と比べてると、観てる側の僕もどこかで彼女らを見下していた。
ただ彼女らも必死でやっている。彼女らのような存在を勝手な観念で存在を決めつけ、理解しようとしない。だからペイジも受け入れてもらえなかった。
ただ一度くじけた後にペイジはWWEデビューに全てを注いだ。その時には、理解しようとしなかった仲間やライバルを自ら歩み寄り理解しようとし、ペイジも彼女らも互いに成長し合う関係になった。
これもまたファミリーのような愛を感じた。
ペイジのようなヒーローもたった2時間ほどの映画の中でもとても多くの存在に支えがあったからこそ、スターになったといっても過言ではない。周りの存在がなければペイジといったスターが生まれてなかったかもしれない。
改めて周囲の存在の大切さに気づき、ペイジのようにがむしゃらに頑張る事の大切さを感じさせてくれた。
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