夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風のレビュー・感想・評価
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市原隼人の静かな演技に涙
四季の短編から構成される作品です。
特に春の作品に主演している市原隼人さんですが、私のこれまで持っているイメージを覆すとても静かなそして優しい演技をされていました。
その抑えた演技が福岡県芦屋町の穏やかに時が流れる風景と相まって涙なくしては見られませんでした。
他の3つの作品も『明日から頑張ろう』と背中をそっと押してくれる良作でした。
それぞれ異なる空気を持つ映画
4話のストーリーからまっすぐ伝わるメッセージ
優しい気持ちになる映画
泣けました
単純に優しい+町への愛情
春はあけぼの、夏は夜、秋は貴乃花、冬場所ってのはないけど福岡県。
春夏秋冬を題材にした短編集なのに、夏から始まってるのが絶妙でした。その夏の夜空では、中学生の淡い恋物語を描いているのですが、わたる君の引き際と最後の勇気ってところがとても良かった。ファンタジー色もあるのですが、印象に残ったのは振られ男子の「あ、田中みゆ」という台詞。最後は笑ってしまった。
秋はボクシングを題材にしたものでしたが、日頃からボクシング映画の良作を観てきているためか、ツッコミ感の方が勝ってしまいました。生徒が一人しかいないのにボクシングジムなんてやっていけないでしょう?モロ師岡さん。養育費も滞納気味だし・・・
冬は小さな革細工屋さんを営む飯豊まりえの物語。使う人の気持ちになって作ることの大切さをテーマにしている。みかんの皮を剥くシーンと革細工が絶妙に絡む。その前に、お父さんの三回忌はどうなったんだ?お母さんもさぼってたのかな?
春。泣かせやがって、この市原隼人!水を与えたら桜が咲くってやつ。ちょっと欲しくなってしまいました。こうやって中学生、高校生、大人、さらに大人という世代ごとのミニストーリーとなっていて、市原隼人が小学校教員なので、またさらに中、高、大人・・・と世代が巡っていくのが想像できるところも面白い構成だった。ただ、春がもっとも感動できるので最後にもってきたようなあざとさも・・・
出発地点
春夏秋冬を題材にした4作のオムニバス。というか、短編4作品。
みりん漬けらしきものが夏と冬に登場したけど、特に4作に共通した話題や繫がりはなく、春以外、特に秋と冬は季節が異なっても関係ない様な…。
ナツヨゾラ
幼馴染みの中学生男女の恋愛話で傍からみるともどかしさを感じる関係が、男の子の引っ越しが決まり変化する話。
恋愛だけの映画はあまりみないけど、初々しさと余計なことをゴチャゴチャ突っ込む余地のないショートストーリーならではの単純明快さが良かった。☆2.5
時々もみじ色
高校卒業を控えた素質のあるアマチュアボクサーと、彼の卒業を機に大学でコーチを務めることになったジムのトレーナーが、一緒に大学でオリンピックを目指そうと推薦入学を考える話。
2年前まで暴れん坊だった主人公とトレーナーが知り合った頃の因縁と将来への展望の物語で、大人と子供、師匠と弟子のプライドと信頼関係が熱かった。☆3.0
冬のふわふわ
東京で革細工の工房を営み始めたものの思ったようにいかず悩む女性が、父親の三回忌に実家を訪れ、叔父や母親と過ごして自分を見つめ直す話。
主人公が物心つく前に父親も革細工の仕事をしていたというところや、母親や叔父とのやり取りから自分に足りないモノに気付かされる成長物語で、家族の優しさが温かかった。☆3.5
桜咲く頃に君と
自宅での緩和ケアを始めた嫁との残り少ない時間を共に過ごす為に休職することにした小学校の先生と生徒達の話。
担任の突然の告知と、それに対する生徒達の対応が温かくて優しくて純粋で、行方不明の件も良いけれど、その前でもう目頭が熱くなったし、締め方も良かった。☆4.0
中学生、高校生、20代、30代とそれぞれの世代にあったエピソードをみせていて、登場人物もそういう対象の1人を除き良い人ばかり。
ショートだから回りくどい展開ではない分先が読めてしまうところはあるけれど、余計なものがないし、各話きっちり結んでくれているし、ストレートに伝わって来てとても面白かった。
短編映画4作。
四季を題材にした二十数分の群像劇四章
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