ある女流作家の罪と罰のレビュー・感想・評価
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すべての伝記映画に不安をおぼえる
主人公リーは、出版社の編集長のような人に名前を売れと言われる。要は面白い本より売れる本を書けという。
もちろん誰しもはじめは無名なのだから、ある程度面白いものを書いて名前を売る必要があるが、有名になってしまえば本の内容にかかわらず売れるというわけだ。
今回のキーアイテムである「手紙」は、小説や映画ですでに名前を売っている人たちの、とるに足らない、いわば創作物ですらない物なのに価値がある。売れる。
ここから更に、内容が平凡なものより刺激的なものの方が価値が高いという。それを知ったリーは、加筆し、終いには自ら手紙をでっち上げていくわけだが、刺激的なリーの手紙は高値で売れていくことになる。
有名人の名を冠した、リーの創作した手紙という、名前に価値があるのか内容に価値があるのかわからないあやふやさが、皮肉に満ちていて面白いよね。
そして、それを正しく判断できない人々もまた笑える。
リーは、やりすぎた為に偽造が発覚したが、最初の数通でやめておけばどうなっていたかわからない。
それでも、伝記作家のリーが本人よりも本人らしく手紙を書き、それが売れることは、自分の創作物が評価されていることに他ならず、作家としての喜びに満ちた今をやめることなど到底できなかっただろうと思う。
悪行だが名前は売った。ことの顛末を書いたリーの本は出版され、この映画にもなった。
本作は面白いから作られたのか?名前が売れていたから作られたのか?
正直にいうとあまり面白くなかったんだけど、それも皮肉がきいていて、一種の社会風刺なのでは?と思い星4つをつけることにする。
んん、、
あまり気分のいい映画じゃなかったな
頭が良くて、個性的で、プライドが高いので人を褒めないからか、孤独で、猫を飼ってて、それもあって臭くて汚くて、だらしがない
わがままで意固地で怒り体質
これはもうすべてあたしの母親www
わざわざ映画で見たくなかった、、、
古書店やバーなんかの映像は雰囲気があって絵的だったし、音楽もエンディングの「マスカレード」アレンジが良かったので、なんとかあと味悪くなく見終えることができた…
後半チラッと元カノと会って
「あんたと話してても時間ばかり失って何も得るものがない」みたいな台詞で拒絶されるシーンが一番印象的だった
腐れ縁になってしまった男とは
ただ単に売り捌く相方が必要だっただけで
決して友達でもなんでもないと思う
金のない者同士、、、
1か月だけの契約にしようと思っているディズニーチャンネルで見漁ってる
堕ちていく痛快さ
キャラクターの描き込み
テーマ的には「タクシードライバー」や「JOKER」に通じるものを感じて、
社会や世間に見放されたと感じる人の物語かなと。
けっきょく犯行を繰り返した理由は金と承認欲求ってことなんだけど
そこの掘下げが最後までやり切れなかった感が残ってしまった。
捨てられないプライドとかセクシャル・マイノリティだとか
そういう”属性づけ”みたいな印象が強くて、もっと根源的な部分を感じないというか。
とにかく僕にとってはどうしても魅力的なキャラクターには感じられず、
ぜんぜん共感できなかったことが大きいのかも知れない。
たしかにね、一度大きな成功体験のある人は自分を捨てきれないのかもしれない。
でも、身の回りやら他人との付き合い方やら、
やれる事・可能性を見出すことはもっと他にあるだろうと。
映像もキレイだし役者も良いしで映画としてのクオリティは高いと思うんだけど
面白いかっていうとちょっとね…という感想。
偽ったのは他人と自分
元ベストセラー作家という過去の栄光を捨てられないリー・イスラエル。
世間の動向を読まない書きたいものを書きを続けることでどんどん時代に置いて行かれ、一方では、同性愛者という価値感に時代が追い付けいていない。おおっぴらに世間にPRできない自分の性格とアイデンティティをなんとか世間に知らしめたい、自分にはそれができる、なぜならベストセラー作家だから。「元」ですけど。
とあるきっかけで「有名人が書いた手紙」が金になると知ると、その執筆に力を注ぐようになる。
ゲイの友人(ジャック・ホック)と飲み友達になり、そばに置いていた理由は、自分の心のよりどころにするため、常に自分は上だと感じるため、手紙を売る手伝いをしてもらうため、利己的な理由の中に紛れてその実、マイノリティ同士「本当の友達」になりたかったようにも思える。でも、そのなり方がわからなかった。
猫だけが唯一の家族で、裏切らない。いや、動物だから「裏切っているかどうかもわからない」から、病院にも連れて行くし、熱心に世話をする。猫に注がれた愛は、結果的にリーの中で良心を生み、なんとか完全な嫌な人間にはならなくて済んでいた。
その猫が死んだので、良心が生まれることはなくなった。猫を媒体(冷めた言い方で大変申し訳ないですが)として、注いでいた愛が自分に返ってきていた、結果的に「自分を愛していた」部分がなくなり、自暴自棄になり、唯一の友人にも暴言を吐きちらす始末。当然、自業自得で警察に捕まり、御用となる。
リーが、「あなたのことも本に書いていい?」と許可を得るために、バーにジャックを呼びだしたラストシーン。個人的に(あ、リー謝るのかな)と思ったけど、今までと変わらぬ調子で、ジャックに悪態じみた言葉遣いで話す。重病になったジャックは、リーのことは許してはいなくて怒ってるんだけど、リーに対する仲間意識のようなものは薄れていない。
結局、リーはジャックに一言も謝らなかったが「ありがとう」と言っていた。
時代にそっぽ向かれている者同士、通じ合う者、生きていくつらさを共感しあい、「強がらなけれないけない」という姿勢をくずさなかった。それは、まもなく死が迎えに来るとしても、毅然としてそのスタンスをジャックは保ち続けた。それを見てリーも感化されたと思う。
きっと2人は、あえて「友達」という選択肢や言葉を使わなかったのだと思う。それをすると依存しあいって強くなれそうになかっただろうし。それでも、傍から見れば「友達を傷つけた」リーの罪は、ある。さらに他人を偽ったではなく、自分を偽った罪がある。
それらの罪の罰として、リーは友達がいなくなり、ほんとうに一人になった。
でもきっと、自分を愛せるようになれば一人ではなくなるはず。それは、本屋のオーナーのアナが、その希望をわずかに含んで映画は終わる。ちゃんと希望を見せてる部分が、映画としても好感が持てる。いい映画でした。
偽造を重ねすぎると、自分まで偽造になっちゃうよね。
メリッサ・マッカーシー、うんざりするような嫌われ役を見事に演じましたね。
人生って行き詰まってからが、その人間の人格が現れやすいもので、
この作家さんは、基本的な人間形成が成されていなかったんだな、と思っちゃいましたね。
偽造を重ねすぎると、自分までも偽造になっちゃうよね。
悲しいお話。
本当に生きてるだけで丸儲け。さんまみたいな女の人の話。
大人な感じ
人付き合いを嫌い、猫しか愛せない落ちぶれた伝記作家メリッサ・マッカーシーが古い手紙を偽造し、金を稼ぐ。金を稼ぐことより、そこで知り合う人々、病気の猫を助けられたことから、エスカレートしていき、結局は逮捕される。実話というのが良い。大人のドラマ
切ないね
以前はベストセラー作家だったが、いまでは落ちぶれてしまい、有名人の手紙を偽造して高値で売る犯罪者になってしまう。
途中、犯罪者ではあるが善の気持ちまではなくしていなく、また手紙を偽造する事にはプロ意識があり、なんだか憎めない部分もある。
その微妙な具合を、見事に演じきっているメリッサマッカーシーが素晴らしい。
デンジャラスバディやゴーストバスターズでももちろん素晴らしいですが、今回の演技は特に素晴らしいです!
リチャードEグラントもその演技に華を添えるように名演でした。
裁判官の前で自分の気持ちを曝け出すメリッサマッカーシーが切ないんです。
自分が最高の仕事をしてると思っていたけど、それは自分の悪いところにはフォーカスせず、自分と向き直った時には、自分が作家ではないと認識してしまう。
それを人前で話すことがどれだけの事なんでしょう。
切ないですね。
映画の終わり方も良かったです。
メリッサマッカーシーの他の出演作品ももっと見てみたくなりました。
同情はするが愛すべきキャラクターと言えば否
切ない二人
タイトルなし
身につまされるなあ…。 51才独身猫と暮らす。プライド高くて性格悪...
いい仕事してますね~byアメリカの中島誠之助
タイプライターで打った手紙にちょろちょろっとサインするだけ。ただ、そんなに簡単ではない。リー・イスラエルが取った行動は一人の著名作家の作品を読み漁り、文体も真似て、何気ない内容にちょっと味付けするだけ。古いタイプライターをわざわざ買ってきて、サインの偽造はテレビを台にして光を当てトレースする。便箋は熱を加えたりして古さを強調。文面は作家であるがため自分の表現すらできる希少作品でもあるのだ。
元々伝記作家であるがため、センセーショナルな手紙を作ることくらい朝飯前。苦労して伝記を書くより儲かることに気づいたリーは古書店も一ヵ所に絞らず、あちこちに売りまくる。調子に乗って作家ドロシー・パーカーに成りきるところも面白い。
彼女は夫と別れてからはずっとアパートに一人暮らしで猫を飼っている。飲み仲間であるゲイのジャックに心を許し、贋作の秘密を打ち明けるほどになった。リチャード・E・グラント演ずるジャックは彼女の自叙伝には詳しく書かれてないらしいが、エイズで周りの友人を失っている孤独な中年男性という点で分かり合えたのだろう。リーの偽造という罪の意識ですら、ジャックのドラッグ売買という罪より軽いと安堵感があったに違いない。
最初はいや~なアル中おばさんというイメージから始まったが、徐々にリーの行動に興味を持ってしまう。その背景にはジャックとの交流もあり、金にモノ言わせる収集家がバカに見えてくるのも原因だろう(ただし収集家は登場しない)。やがて、手紙の内容についての疑惑が持ち上がり、FBIの捜査対象となってしまうが、ある古書店の男が黙っててやるからと恐喝するのだった・・・親しくなった店主アナとももう会えない・・・と、ちょっとした緊迫感。
犯罪には間違いないけど、なぜだか嫌いになれなくなる終盤。この映画の原作ともなる同名タイトル本を執筆し、ようやく彼女の才能が開花したという点で応援もしたくなるほど。絵画の世界だと贋作が流通し過ぎてるけど、こうしたニセモノですら彼女の遺産となるのだから不思議な気分になりますよね。
たしかにいけ好かない人物ではある
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