「望月歩と山田杏奈、ともに将来性十分」五億円のじんせい AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
望月歩と山田杏奈、ともに将来性十分
主人公が底辺や裏の仕事を体験して回る、いわば「現代日本の地獄巡り」という点では、「東京難民」との共通項が多いと感じた。どちらもホームレスの男が重要な役割を担うし。
主役の望月歩は、「ソロモンの偽証」で校舎屋上から転落死した中学生を演じて注目されたが、同作から約4年でずいぶん成長し、手足の長さと顔の小ささが目立つ今風の若者になっていた。純粋であるがゆえに思い詰め、世間知らずだったが旅での出会いと経験によって大人になっていく主人公を、まさに伸び伸びと演じていた。
山田杏奈は独特の暗さが持ち味。薄幸、病弱、いじめられっ子といったキャラクターに起用されることが多い。今回も主人公が幼い頃の年上の入院患者仲間で、いつもと同じような設定かと思いきや、意外な展開があって嬉しかった。スプラッタホラーの「ミスミソウ」で初主演する根性もあるし、演技幅は広いので、これからもっといろんな役に挑戦してほしい。
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