「大作過ぎて詰め込めないから、理由をつけて逃げた作品。」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー コウさんの映画レビュー(感想・評価)
大作過ぎて詰め込めないから、理由をつけて逃げた作品。
宣伝だけを見れば「ドラクエ5が3DCGで映画になったよ!」あの頃のワクワクとドキドキを垣間見れる!と期待させられる作り。
前半から中盤にかけてはプレーヤーとして長編大作なことは理解しているので、尺の関係で端折る部分があるのは仕方ないよね、と思いながら鑑賞。
・妖精の村が出てこない。
・唐突なヘンリーの誘拐
・ビアンカのリボンのくだりがない
プレイしてない人は、ヘンリーに感情移入ができない。ゲレゲレの出会いもドット絵で削られてるので多分理解できない。当然ビアンカも幼馴染感がない。
このことから、ゲーム未プレイには楽しめないなと感じた。
中盤から後半。
・不幸なフローラが報われるシーンがない。
・ビアンカが山奥で介護してるシーンがない。
・グランバニアが出てこない。
・よって王様の息子であることがわからない。
・娘が存在しない。
などの端折りがあるため、これまた感情移入できる部分が減っていく。
そして終盤。
「大人になれ」「ウイルスだ」
「ゲームばかりするな」突然の現実引き戻し。
ここまで隠してた「これはVRです」のくだり
懐かしいゲームに関わる映画だから、と見に来ただけの、現役ではない大人の客に向けて「大人になれ」という違和感しかないメッセージ。
20年前ならまだわかる。
当時の小中学生はもう30-40代だわ。
好きと言ったわけじゃないのにフラれたみたいな、納得のいかない状況のまま話は終わった。
プレイヤーでなければ理解が出来ないし、
ストーリーが雑なので、ゲームしたことない人にもこの映画を勧められない。
映像が綺麗でキャラクターがディズニーのように表情豊かな部分だけが見どころ。
調べてみれば監督はドラクエ5をプレイしてないとのこと。SFCだけで280万本売り上げたタイトルに対して未プレイのまま映画に関わるのは論外。
何より、これはドラクエじゃなくて、
「ドラクエをプレイしてる人の映像を見せる映画だよ!」というコア部分を、後半まで隠したことが許せない。
ストーリー次第で名作映画になったはずなので
残念でならない。