「映画の醍醐味」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー FMovさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の醍醐味
長文失礼します。既婚女性です。
私は、親にやりすぎだとげんこつをもらいながら、何度も夢中になって(おきのどくにもぼうけんのしょがきえた回含め笑)DQVをプレイしました。スーパーファミコン世代、ビアンカ派、ボロンゴ派です。諸事情でしばらくDQシリーズをプレイできておりませんが、今も大好きな作品です。
普段はしないのですが、ネットで事前にネタバレを見てしまい、酷評にいてもたってもいられず映画を観てきました。
1 問題のオチについて
FF(ファイナルファンタジー)シリーズファンの弟と観に行きました。なかなか映画の批評をしない弟から「俺はDQプレイしないから詳しくはわからないけど、それにしてもこのエンドは無い」という感想が飛び出しました。最後の演出で全てが台無しになったとのことです。
対して私は、オチにはがっかりしたしあの言葉にはイラッとしたけれど、全体的に映像が綺麗で声優も合っていて、それなりに楽しめたかな、という印象を持ちました。でもそれは、もしかすると事前にある程度オチを知っていたので、心の準備ができていただけなのかも知れません。
夢オチ的展開は、ファンを一番がっかりさせるモノだと思っています。ドラえもんが「全部夢だった」という最終回の都市伝説(公式ではないようです)を知ったときのショックは、今でも覚えています。今までドラえもんを楽しく見ていた時間が、全て幻になってしまったかのような…全部否定されてしまったかのような…。今回の映画もある意味似たような感じなのでしょうか。
またオチ自体も、正直どこかで見た展開で、真新しい感じはなかったです。急に現実に引き戻され、胸がざわざわしてその後は全く感情移入できずに映画が終わりました。
2 今回の映画のターゲティングについて
パンフレットを購入し熟読しましたが、製作陣がメッセージを込めた対象が「過去にDQをプレイしていたが今はプレイしていない親世代」になっているのではと感じました。
最近は大人になってもゲームをプレイしているひとが多いことを、製作陣が想像できていなかったことに今回の酷評の原因を感じます。
特にラストのシーンについて、堀井先生と山崎監督が深夜まで討論したとの記載がありました。問題のあのセリフが、どちらの主張によるものだったのか、、そこまでは読み取れませんでした。
しかし…映画を観てそれほど拒否反応のなかった私は、、今回の映画のターゲットだったのかも知れません。短時間でプレイできるスマホのゲームはやりますが、なかなかRPGに踏み出せないまま、かなりの年月が過ぎており…泣
映画を観終わった後すごくDQVがやりたくなったので、ゲームをやりたくなるきっかけづくりという意味では成功したのかも知れません。
3 映画の醍醐味
私はこの映画に限らずよく映画を観るし、映画仲間と感想を言い合ったりしています。映画は、ひとによって捉え方、感じ方、解釈のし方が本当に違うといつも思っています。
生まれ育った環境や経験してきたこと、勉強したこと、興味があること、ひいては当日のコンディションによって、感想は大きく変わってきます。
でも、お互いの感じ方の違いを知ることこそが、私は映画の醍醐味だと思っています。自分では考えてもみなかった着眼点を知ったとき、とても面白いのです。
たとえ家族でも、日本人でも、自分と違う考えをもったひとはいます。
今の日本は、言論の自由で自分の考えを自由に言えることになっていますが、相手の存在を否定するような言葉、相手を傷つけるような言葉を言いたいだけ言うのは、違う気がします。
映画を作った関係者の方々を攻撃する言葉がレビューに溢れていて、見ていてとても悲しくなりました。
私はあまりストーリーの展開には共感できませんでしたが、素晴らしい画と声優の方々の熱演に感動しました。戦いのシーンも興奮したし、ビアンカ、フローラもとても愛らしく、どちらか選ぶシーンは納得の展開でした。DQVをプレイしていた頃の自分を、思い出して懐かしくなりました。
ちなみに、私は大人になってもゲームをプレイしているひとが、子供だとは全く思いません。