「凄まじい矛盾映画」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー 電撃鼠さんの映画レビュー(感想・評価)
凄まじい矛盾映画
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この映画が根本的におかしいのは、ラスト10分の部分にあるのだと思う。ゲームなど虚構、大人になれというフレーズについて、観客たちにとってのゲームとは、もちろんプレイしたドラクエ5の思い出もあると思うが、この映画を見ている以上、ゲームとはここまで見てきた映画の大部分を指してしまっている。いわば『なんでこんな虚構映画見てるの?現実を見なよ?』と言われているようなもので、観客たちに激しい混乱を起こさせるのだ。ここまで5分ほど、そして主人公による浅い反論ののち、なんと映画は虚構世界で完結してしまうのだ。主人公の生きるべき現実に帰るわけではなく。ここが最高に薄ら寒い不気味さを生んでいるのだ。これを踏まえて監督の次回作のルパン映画のCMを見たときに、どう感じるかは自明である。フィクションを最高に冒涜する作品とはよく言ったもので、今後映画や物語を心から楽しむことが出来なくなるトラウマを生む可能性を秘めた最悪の作品だと思う。
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