「これが駄作?意味が解らない。ドラクエを2時間に詰め込むならばこれが最適解。」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー そうせいさんの映画レビュー(感想・評価)
これが駄作?意味が解らない。ドラクエを2時間に詰め込むならばこれが最適解。
悪評をつけているレビューは、内容が浅い。
最初に言っておきます。
少しでも迷っているのであれば、あまりレビューなど読まずにとりあえず観に行きましょう。
おそらくみんな、リュカたちがミルドラースをやっつけて、めでたしめでたしのエンディングを期待していたのだろう。
しかし、それで本当に良い映画になりうるだろうか。本当にドラクエ5を映画化するのであれば2時間なんて短尺ではとても足りず、最低6~7時間は必要になってくる。それを端折りまくって2時間にまとめられたドラクエ5を、本当にみんな観たいのだろうか?
私はこの短尺でドラクエ原作の映画を作るのであれば、この答え、このエンディングが最適解だと思った。
「2時間でドラクエ原作の映画作ってよ」と超難題を無茶振りされた監督がひねり出したアイディア。私は良かったと思います。とても感動しました。エンディングは涙が止まらなかった。
私はこの主人公と全く同じ。小学生の時に誕生日プレゼントにドラクエ5を買ってもらい、何度も何度もプレイしました。それ以降ドラクエファンになり、ゲームを離れた今でもドラクエだけは新作が出ればプレイしています。
その私から見て、主人公の気持ちが痛いほど分かる。ゲームの世界が虚構だと知りながら、夢の中で、妄想の中で、いつも冒険していたあの頃。これが現実だったらいいのに、と思いながらコントローラーを握っていたあの頃。その気持ちは今でもドラクエをプレイすると思い出す。
そんな、自分の中にひっそり眠っていた少年の心を思い出させてくれる映画でした。
ビアンカやアルス、スラリンたちがゲームの中だけの存在だと頭では分かっていても、心で認めたくない。そんな気持ち。そんな気持ちを思いきり揺さぶられた感じです。
とにもかくにも、ただ単純にドラクエのCG映画を観たかっただけの人には、確かにこのエンディングは納得できないでしょう。ですが、そんなものは別にいつでもゲームでできるわけです。
夢中でゲームを続けているうちに時間が経ち、怒った母親にリセットボタンを押される感覚。この映画の醍醐味はここですね。あの頃の「えええええええええ~~~」という気持ち。でもそれでは終わらず、主人公が最後まで現実と戦う。虚構と知りながら、ビアンカたちとの冒険を最後までやりとおそうとする。
そしてラスト、ビアンカに背中を叩かれて「本当に痛かったんだ」としみじみとつぶやく。とても良い終わり方だったと思います。
登場人物のビジュアルもよかったですね。ゲマが本当に想像通りのゲマでしたし、ビアンカがとにかくかわいかった(笑)もうこれに尽きます。
欲を言えば・・
もう少し戦闘シーンが観たかったかなぁ。もっと多くの呪文や特技が観たかったかなぁ。あと、娘も観たかったなぁ。
とにもかくにも、個人的にはとても満足した映画でした。本当に感動しました。おそらくブルーレイも買うと思います(笑)