「ラスト改善案」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー s kさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト改善案
物語の構造欠陥がある為、改善点のみ記載します。
メタフィクションは、タイミングが大切です。
ラストのラストでやると、その要素がマイナスだった時のリカバリーの時間がなく、観る人を不快にさせる事がほとんどです。
「マトリックス」とかは、そこが中盤の主題だし。
メタ構造と言う意味なら、近年なら「グリッドマン」とかは良かったです。旧作だと「クレヨンしんちゃん 夕陽のカスカベボーイズ」とか「デッドプール」とかはそれなりに良かったなぁと。
これが「シャッターアイランド」的なサスペンスだったらOKですし、「君に読む物語」的な物語をたどるものであるなら納得も行くのでしょうが……本作はドラゴンクエストなので…。
ドラクエでやるのなら違うやり方があったでしょうよ。と言うのが今回の主題です。
流れは違うけど、ラストが糞と言われる漫画で「代紋TAKE2」があるが、ほぼそんな感じのラストなので、酷評されても文句言えないのでは……。
この脚本構造では、初めから一定層を切り捨てる覚悟だったとしか思えません。
今後、昔語りで「あの映画嫌だったなぁー」的な意味で、記録ではなく記憶に何としても残りたいと言う意志があったのかも知れません。……まぁ、制作者としては分からなくはないのですが……公式でやるのはかなり厳しいし、敵を作り過ぎるかと。
さて、
結局、作り物でしたーって言われる事が悲しいのです。
作り物でも、大切な世界だ! とか言うのであれば、現実とのリンクを大切にするべきです。光のお父さんを見習って欲しい。
むしろ、光のお父さん的な作り方をすれば良かったのかと思います。
ここから、
改善提案です。
冒頭、現実の世界でスーパーファミコンのカセットを入れ、スイッチを入れる所からスタートする。20〜30秒くらいのカットで良いです。そこからテレビ画面へインサート。ドラクエⅤのオープニングが流れていく。
その後、ゲーム画面ダイジェストから3DCGに移り変わる。出来れば、頭の中で現実化して行くように、平面から徐々に立体化(いっそSFCから3DSになり、徐々にフルボイス化していく)とかあると面白いかもしれません。
そうすれば、ゲームの世界を物凄く真摯に、緻密に、そして感情豊かに描いていると捉えられます。
そして、ラストはウイルスではなく、
例えば少年期にゲームをしている事を、怒ってくる親的なものにしてしまう。
その後、兄弟や、理解のある両親と、
この世界だって、大切な世界だから、世界を救おう
と、リスタートする。
ゲームが与えてくれる、物語への想いは、今を生きる力になる。そんな言葉を胸に現実の冒険へと向かう。
(ラストシーンでは少年なら青年、ハードもSFCから3DSになっていたり、現実世界でドラクエのARゲームをやったりしても面白いかも)
ゲームだって大切な世界なんだ、を伝えるなら、最後に裏切るのではなく、最初から、正面から来て欲しかった。
裏切るなら、物語ではなく、そのまま「ゲームを映画」にしたのかーって事や、実写キャストとかで驚かして欲しかった。
普通に考えたら、ドラクエの世界観を映画にする事が大切なのだが、ドラクエとは国民的ゲームである。に踊らされた映画に感じる。
ストーリーではなく、ドラクエと言う構造へのアプローチで作った映画だった。
賛否あるだろうが、制作側の原作への向き合い方に、私は疑問を感じました。
追伸
Яは、キリル文字で自分を表すとか言う考察を見たが、個人的にはトイザらスよろしく、子供の書き間違え感を出したように感じる。結果子供のものだよって言うメッセージだったとしたら、これほど不快なものは無いが……まぁ、それは深読みし過ぎだろう。