「ドラゴンクエストの世界がそこにあった」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー ワルピンさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラゴンクエストの世界がそこにあった
この映画を酷評している人がたくさんいるのはわかります。
やはり、最後の展開ですよね・・・
でも私は非常に良かったと思います。
私はドラクエシリーズを全部やったわけではないですが、今までのRPGの中で一番時間を費やしたのがドラクエⅤでした。DS版でしたので、お嫁さん候補にデボラがいました(笑)。セーブデータが3つあったので、3人(ビアンカ、フローラ、デボラ)それぞれ結婚したデータを作製し、物語を堪能しました。
ドラクエⅤはボリューミーで二時間以内では絶対に語りきれないと思っていました。これは予告を見てさらに確信しました。だってドラクエⅤのボスであるミルドラースの影が一片も出てこないんだもん(笑)。なので、ゲマを倒して終わりなのかと思ったので、私は素晴らしいグラフィックのモンスターやヒロインに会いに映画館へ行きました。
結果、、最高でした!!
モンスターの質感や、ヒロインの美しさが圧巻!(フローラ可愛すぎ!!)
声優も非常に馴染んでいたと思います。でも個人的にはパパスはもっと渋い声のイメージだったので、山田孝之は声優としても声質としてもまだ幼かったように思いました。
内容は、個人的にどこで完結するのか気になりながら観ていたので、ゲマを倒して魔界の門を閉じて終わりかな?と思っていたら、いきなり柱?みたいなのが飛んできてザ・ワールド(笑)的な展開になってびっくりしました。ここ!ここからが酷評される理由ですよね。
この世界はVRで、ミルドラースという名のウイルス(敵:おそらくこれはゲームしてこなかった世間の人のメタファー)が"大人になれ"といってそれを主人公が打ち滅ぼすシーン。ここに今作のメッセージ性が集約されていたように思います。これが良くなかったのでしょう。
でも、私は映画を観終わって全然モヤモヤしませんでした。むしろ良かったです。酷評が多い中、なんで自分はイライラしなかったか考えたときに、あそこの時止めがあったからではないかと思いました。ミルドラースは出てこないと思っていたのが大きかったためか、あの時止めの間でドラクエⅤの内容が完結したと思ったんでしょうね(笑)。だからその後の制作者のメッセージ(ドラクエⅤ又はゲーム全般に対する肯定)がスッと入ってきて、エンディングを迎えることができたのだと思います。あの間がなかったら自分も酷評してたかもしれません。ストーリーを追うことならどの監督にもできると思うので、今回のオチは良かったのではないでしょうか。ストーリーを追うだけならアニメにすれば良いと思います。その方がお金もかからないと思うので。
まとめですが、ドラゴンクエストの世界がそこにはありました。映画として良かったと思います。そして、時止めの間がドラクエの世界と、この映画で伝えたいことの両方をうまくわけ、ドラクエをやったことのある人、ない人問わず楽しめる映画になったのではないかと思います。
この映画にそんなにドラクエⅤのストーリーを重視していたんですか??
ストーリーを酷評しているのは賛否があって良いと思いますが、ドラクエの世界観を作り出すのはストーリーだけではないですよね?!
モンスターのビジュアルや音楽、風景も作品の一部です。今作はストーリーは改善すべきところがあった(特に最後)と思いますが、他の部分ではドラクエの世界観が非常によく表現できていたと思います。
ドラクエVって親子三代に渡る、壮大な時間の流れが最重要要素だと思うんです。カットされた前半の思い出や冒険を体験出来ていないなら、後のイベントの大半の感動が台無しなってしまいます。再会の感動、時渡りの驚き、そして長い冒険を共有したからこそ沸き上がるエンディングの感動。そもそも二時間では無理なわけで、多くのファンは「やっぱりな…」という落胆を感じている最中に、あのラストが火に油を注いだんですよ。
確かにそうですね。
映画のドラクエⅤを完成させてから、VRオチの方がスッキリしたかもしれません。
やはり、半ば強引にメッセージを入れてしまったことで、今回のような酷評を招いたのだと思います。
私は良いメッセージだなと思いましたが、ドラクエファンにとってそれは当たり前だという人も大勢いるので、やんわり入れる程度が良かったのかもしれませんね。
あの短い時止めの間だけで多くの人に完結したと感じさせるのは難しそうなので、
ゲマを倒して魔界の門を閉じた時点で短めのエンドロールを流し、
「ドラクエ5の話はここまで!」と明確に表現してから、
この映画のオチに入っていればもう少し評価が変わっていたかもしれませんね。