「この映画の制作に関わったすべての人に感謝したい」ドラゴンクエスト ユア・ストーリー おっぎーさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画の制作に関わったすべての人に感謝したい
大炎上している本作だけど、私がこの映画を見終わったときの感想はこれだ。
この映画の制作に関わったすべての人に感謝したい。
よくぞ、この映画を私に届けてくれた!
本作の企画は、まさにドラクエでしかできないことだし、ドラクエだからこそラストのメッセージは胸に響く。
少年時代、夢中になってプレイしたドラゴンクエスト。その思い出を最新のCG技術で蘇らせる。
しかし本作はそれだけで終わらない。
実家に帰ると偶然小さい頃のアルバムを見つけ、懐かしみながらページを送っていくと、最後に父親からの手紙が挟まっていた。
ラストシーンをたとえるなら、そういう感じだと思った。
蛇足と捉える人もいるだろう。
そもそもドラクエ自体にとくに思い入れのない人にとっては、困惑さえするだろう。
でも、そのメッセージは、私には響いた。
ラストシーン以前も、これはすごい映画だという思いはあった。
CGのクオリティは冒頭から素晴らしく、「ああ、次のリメイクではこのクオリティでやりたい」と思わされた。
ストーリ展開は全体的にかなり駆け足だが、結婚式イベントまわりは丁寧に描かれており、ビアンカ、フローラともに、とても魅力的に描かれているのが好印象だった。
その他の改変要素についても、「そうくるか!」と懐かしみつつも、新鮮な気持ちにさせてくれた。
でも、あのラストシーンがなければ、
「まぁ長編RPGのシナリオをぎゅっと2時間に収めれば、こんな感じになるよね」
という、想像の範疇におさまる、普通の良作になっていただろう。
だけど最後の展開で一変した。それくらいその手紙のメッセージは強烈だった。
そのメッセージとは、
「子供の頃にドラゴンクエストを必至にプレイして、大人になった今もそのノスタルジーを忘れられない」私を含めた全ユーザーに対する「肯定」だ。
「否定」では断じてない。
他の辛辣なレビューをみると、まったく逆の捉え方をされている人が多い。しかも彼らは大抵、熱烈なドラクエファンの人だ。本当に理解できない。
とても自分と同じ映画をみた人の抱く感想とは思えなかった。
でも、どうやら、彼らの方が多数派だ。
私だけが、なんだか違う世界に飛ばされてしまったような、そんな疎外感を今感じている。
それでも、あのラストシーンを含めたこの映画に感動して、
劇場で身を震わせながら見終わった自分は確かにいるのだ。
まだ見ていないドラクエファンの人は、どうか劇場に足を運んで、挑戦してほしい。
もしかしたら、とてもショックな思いをして帰ってくるかもしれない。
というか、客観的に考えると、その可能性の方が高い。
でも、この作品で味わった感動を知ってしまった身からすると、
それをひとりでも多くの人に共有したい。
実際どうなるのかは、あなたの物語次第だ。
全くの同感です。
熱烈なドラクエファンを自認している自分としても、ゲームとはまた一味違う感動をもらい、ドラクエの奥深さにあらためて感動しました。
ドラクエファンの一人として酷評されている事こそ悲しいです。