「久石譲の無駄遣い」二ノ国 erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)
久石譲の無駄遣い
ネタバレなしです。
■キャラクターのデッサンが崩れがち+アニメーションが雑
特にキャラの顔の角度が素早く変わる動きに顕著だった。これは映画ではなく、TVシリーズものとして放送できるレベル…とまで思った。
キャラクターは基本的にCGなどの処理ではなく、手描き・手作りアニメーションでつくられているようだがセル画枚数が足りていないのか、やけにカクついたぎこちない動きが随所に目立っていたように感じた。
■背景美術は美しいものの…
船が飛び立つシーンなどにみられる3Dモデルとの融合も綺麗になされており、背景は美麗で申し分ないと思った。
しかし、モブ(兵隊などの群衆)やモンスターまで随所で3DやCG処理がベースになっており、これがまた手描きキャラとのタッチの差が激しすぎて違和感が凄い。やはり私は確信した。映画ではなく、TVシリーズのクオリティだこれは…。
■ストーリーが無駄に分かりづらい
2つの世界の命が繋がっているのか、それともどちらか一方でしか生きられないのか、物語の中でも解釈が二転三転し、その度にくどくどとキャラクターのセリフで説明されるのでややこしい。頭でワンテンポ考えなければならない分、感情移入しづらかった。セリフだけではなく、もう少し絵や動きで観客に伝える試みがあればより伝わりやすくなるのではないかと思った。
■まとめ
良いストーリーは、一流の絵や音楽やキャスティングとの融合によってその魅力は何倍にも昇華されるものだというのは誰も異論がないのではないか。しかし、だがしかし!その逆もまた然りだということも今日は思い知らされた。いくら着飾っても変わらないものもある。残念。