劇場公開日 2020年9月11日

「恋する乙女の視線」窮鼠はチーズの夢を見る つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 恋する乙女の視線

2025年9月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

序盤はシュールなコメディのようで笑えて面白かった。中盤になるとシリアスさが増し、ロマンス色が強くなっていく。後半はかなりハイテンポに物語が展開していく中で恭一が人間として成長していく様子に移り変わる。
結局、どんな作品だったのか、まあ大別するとBL作品ってことになってしまうんだろうが、それでも微かに変化していくテーマの広さは私を混乱させた。

最後まで観終わって考えてみると、愛ってなんだろうね?とか、一緒にいるってどういうこと?とか、そんなことに恭一が気付いていき、自分が共に生きる相手を選ぶ。そんな物語だったかなと思う。
BLどうこうを抜きにしてもよくできた深みのあるロマンスだった。

内容が充分すぎるほどに面白かったのだけれど、それでも一番の見所は今ヶ瀬を演じた成田凌の演技だろう。
もう恋する乙女の視線以外の何者でもない。恋してますオーラがハンパない。喜びや悲しみなどの感情が、動きはわずかながら爆発しちまってる。更に貪欲さや嫉妬心までもにじみ出るというよりダダ漏れ。
しかしクドくはない。この絶妙さは称賛に値する。
今ヶ瀬を見ているだけでも観て損はない。

つとみ