「共感共感!恋する全ての人へ」窮鼠はチーズの夢を見る M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)
共感共感!恋する全ての人へ
その昔、自分が好きで好きで大好きになった人がいて、それでもその恋は苦しくて苦しくて、でも幸せだった。
ってこれ、映画のまんまやないか!
と我ながらツッコミを入れてしまうくらい、この映画の登場人物に共感しまくりました。
公開記念舞台挨拶のライブビューイング付きの上映回にて鑑賞。はーっ、もう大満足。
これを劇場の大画面で観させてくれてありがとう!
無事に公開できたこと、この映画を劇場で見られたこと。主役の2人の体当たりの演技。全てに感謝です。
流され侍(ながされざむらい)と呼ばれた過去を持つ主人公の大伴恭一役を大倉忠義さん。その大伴を学生時代から7年もの歳月をかけて好きな今ヶ瀬渉役を成田凌さんがそれぞれ演じている本作。
行定監督が丁寧に丁寧に演出して、考えて、描いたその世界観に主役の2人が最高にハマっててめちゃくちゃ綺麗な絵になり、とっても切ないラブストーリー。
巷では過激だったとか、生々しかったなんて声がよく聞こえてくるくらいSEXシーンがありますが、個人的にはそのシーンより断然他のシーンに目が!心が!奪われて。何度も涙があふれました。
しかし、成田凌って人はなんて役者なんでしょう。
切ない。切なすぎて心が痛くなったよ。
あの頃の自分を掘り起こされた気分。
でも私は今ヶ瀬のようにひょうひょうとも、スマートにもなれず、ただただ必死だった。
だから少し今ヶ瀬がずるく思えてしまったよ。
いやまぁ、彼も必死だったんだろうけどさぁ。身のこなしが軽くてなんせ素敵なんです。
私もあんなふうにもっとスマートに立ち振る舞えれば良かったのに、、、
劇中の女性陣も素晴らしかった。
やー怖い怖い。恋愛を間に挟む人間関係。
タイ料理屋でのバッチバチ。
恭一がカールスバーグを注文した後の今ヶ瀬の「ははっ!」て笑い声。心臓に悪いわ〜ドキドキしたわ。
とにかく、どの出演者もしたたかな部分があったり、
天然ですか?の可愛さがあったり。
とにかく一度見ただけでもお腹いっぱいになったのに、また時間をおいておかわりしたくなる作品でした。
ひっさびさに自分好みのラブストーリーにあえた。
行定監督が挨拶の中で、ラブストーリーって映画界の中で軽視される傾向があるけれど、自分はこの作品を胸を張って本当のラブストーリーだと言えるとおっしゃってました。ありがとう監督。theラブストーリーでした。
世の中にある偏見を持つ人がこの作品をみて今までとは違う何か新しいものに気付いてくれたらいいなと切に思う。男だから、女だから、sexualマイノリティーだから、などどうでも良くなる。
性別なんてものは付録みたいなもんで、人と人との関係にそれは無くてもあってもどっちでもいいと私は思う。
人が人を想う気持ち。その想いを受け止める気持ち。
sexualityは難しい問題かもしれないけど、その人自身が誰を想うのかはその人の自由。世の中の人みんなが尊重される世界であってほしいなぁ。
この映画を見た人と語り合いたい。そんな気持ちになります。どのシーンがお気に入り?とかね。
ちなみに、私の印象に残ったセリフは、
「来年も買ってあげるから」
(誕生日プレゼントのワインをもつ今ヶ瀬にいった恭一の言葉。)
「心底惚れるって、すべてにおいて その人だけが
例外になっちゃう、って ことなんですね」
↑これほんま。だから、ダメと分かっていても好きな気持ちが止められないのです。