「新撰組ほど過大評価されている組織はない」燃えよ剣 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
新撰組ほど過大評価されている組織はない
2021年映画館鑑賞98作品目
11月14日(日)イオンシネマ石巻
原作未読
『ガンヘッド』『バウンス ko GALS』『検察側の罪人』の原田眞人監督
約2時間半の大河ドラマ
詰め込みすぎにも程がある
一本の映画にまとめるには無理があった
企画の時点で無茶だった
TBSの日曜劇場とかでじっくりとやるような内容
映画なら中村錦之助の『宮本武蔵』5部作くらいやってほしい
せめて三部作
沖田総司のみにスポットライトを浴びせたら一本でまとまるのだがよりにもよって土方歳三ではなあ
新人ならともかく原田眞人監督くらいのベテランなら断ってほしかった
柴咲コウはなかなか出てこない
始まってから30分いや40分くらいだろうか
偶然にも柴咲コウが出てくるようになってから面白くなってきたような気がする
やっぱり時代劇といえばチャンバラ
血吹雪が出る本物志向の剣劇
あと戦のシーン
それ以外となると見どころは
片目の刀屋を演じる柄本明
近藤勇が宵の席で踊るシーン
芹沢鴨がいくらご乱心しても微動だにしない2人の芸妓
あと烏合の衆だけに内輪揉めの数々
公家の皆さんが白塗りに眉毛が点々になっている
だが迫力に欠ける
成田三樹夫や菅貫太郎のような狂気に満ちたアクの強さがほしかった
マギーが褌姿で女中を抱えて逃げるシーンがあるが感心した
あの女中は機転が利く
なぜか全員集合の大工のコントで道具箱の代わりに裏方の女の子を抱えて登場する志村けんを思い出した
はんにゃはすぐにわかったがウーマンラッシュアワーの方が最後まで気づかなかった
彼の発言に関しては何一つ共感したことがないがだからといってこの作品で彼を不快に感じることはなかった
正直元々新撰組はあまり好きではない
少なくともリスペクトしていない
原作が司馬遼太郎なら星3以上は確実だろうし役者の皆様にも魅力を感じたから観ようと思った次第
土方歳三のあの髪型を再現したのはなんか嬉しかった