「ダイジェスト版新選組」燃えよ剣 のむさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ダイジェスト版新選組
原作の長さから考えると致し方ないのですが、各々のエピソードのぶつ切り観は否めませんでした。ただ、これを入口にして新選組ファンになってくれる人は多いのではないでしょうか。パンフレットのイントロダクションに、「土方歳三の知られざる生涯」とありましたが、原作を読了している人、新選組ファンからすると「土方歳三の知っている生涯」なので、物足りなさ、ダイジェスト感が強い作品だと思います。
ただ、一つひとつの映像はさすが原田監督というものになっていました。アングル、構図の「形がいい」ので、心躍る画面が多く、見ていてとても満足できました。芹沢暗殺や池田屋での乱戦など、今までにない描写も多かったように思います。個人的には、池田屋最終盤の土方&藤堂の2対1のシークエンスにシビれました。
もう一つ、山田涼介の沖田は今作の華でしょう。清廉さを失うことなく、病魔に侵される役柄を見事に演じていたと思います。彼の作品ではベストの演技と感じました。『るろ剣ビギニング』の村上虹郎の妖艶な沖田もよかったのですが、本作の山田くんに僅差で軍配が上がるかと思います。
新選組ファンとして少し物足りなさを感じた分、3.5をつけさせていただきましたが、十分楽しめる作品でした。原田監督の手腕と岡田准一のアクション力が光る良作だと思います。
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