アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場のレビュー・感想・評価
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歩兵の誇り
1940年のモスクワ講和条約でソ連領となったカレリアを奪還すべく1941~1944年にフィンランド軍が進行した継続戦争下のフィンランド軍機関銃中隊の話。
1939~1940年の冬戦争において本人は特に活躍した訳ではないとしながらも伍長に昇格した中年兵士ロッカの心情や行動を軸に中隊の動向をみせて行く。
戦闘シーンの激しさや緊迫感に早い段階から引き込まれるし、どこの国でもいつの時代でもみられる前線のことを見ないし考えないで言いたいことを言う上と、そこに噛み付くロッカとか、実際に行動する人間への信頼と絆とかちょっとカッコ良過ぎる。
勿論、上官の言うことを無視するのは危険だし許されないことで無謀なことは承知だけど、先陣を切って交戦し大活躍するロッカの言い分はある意味正論だし、強い男の生々しい言葉にも聞こえるし。
戦地だけでなく戦闘とは無縁な国内での様子との対比や、塹壕でのちょっとふざけたやり取りとかもなかなか。
「無名戦士」そう言われると前線を描いた作品は全て無名戦士が主人公なんだけどね。
男臭さや悲しさと迫力とが入り乱れる、前線を描いた昔ながらのオーソドックスな戦争映画という感じで非常に面白かった。
そして見終わってから頭の中にカリンカが何度も流れた。
念の為、戦争はそんな格好良いものじゃないとかいう正論コメントは不要です。
カ~リンカ カリンカ カリンカ マヤ♪
日本人には知られていない戦争映画
1941年から1944年にかけて繰り広げられたフィンランドとソ連の継続戦争を題材にした日本人には知られていない戦争映画。
第二次世界大戦の裏にこのような出来事が有った事自体が勉強になりますが、現在のフィンランドの事を考えるのなら、何とも不思議に感じるお話ではあります。
結局、武力闘争では勝っても負けても何も生まれまいし、悲劇を作り上げるだけ・・・・
しかし、フィンランドとドイツが始めは組んでいたとは知らなかったな・・・・・・
勿論、フィンランドは当時のドイツのような酷い事や侵略目的では無かったので、組んでいても別の目的だったのですが・・・・
しかし、当時のソビエトにしても、現在のロシアにしても、結局あの国も戦争をしないと気が済まない国だし、汚い侵略をすることしか脳がない国なんだろうな・・・・
本編、休む事がない程、戦場のシーンが続きますが、何処の国でも結局、あの時の戦争で死んでいった人はまさに犬死ですね・・・・
可哀想だけど、見ていて辛くなります。
大変にヘビーな作品でしたが、私たちの知らないフィンランドの戦争のお話は、私たちに、これからも「戦争」を起こしてはならない、意味がない事をしっかり伝えてくれます。
しかし、何処の国も、ビジネスでも、駄目な指揮官、いい指揮官っているんですね。
地を這う虫のように勝利へと向かう歩兵たち
原作となった小説の映画化はこれで3度目との事だが、過去2作が未見な状態での感想として、とにかく「重い」。
戦火の合間の、兵士同士の和気藹々とした描写もあるにはあるが、それも明瞭なものでなく、どこか陰湿な雰囲気を漂わせている。
そんな歩兵たちが、地を這う虫のように、ひたすら国のために家族のために銃を取る。
それは決してバカな上司のためではない。
だからこそ、実際の戦争とはこういうものだったのかもしれないと思わせるだけの説得力がある。
乱暴な例えをすれば、ボンクラ要素を抜いた『フルメタル・ジャケット』だ。
ただ、エンタメ要素もカタルシスもほぼ皆無な上に、近年の戦争映画の中でも群を抜いて息苦しい展開が続くため、観終わってもドンヨリとした気分になるのも確か。
「見せる」という名目は分かるが、「魅せる」という点では少々辛いかも。
もっとも、そうした安易にエンタメを入れないあたりがヨーロッパ映画らしいとも言えるけど。
あと関係ないが、宣伝コピーで「火薬使用量がギネス記録認定!」とあるけど、映画の内容を鑑みると、このコピーはいささか的外れじゃないのか。
製作陣は、必ずしもそこに注目してほしいとは思っていないような気がする。
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