「戦場の真実」アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
戦場の真実
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第二次世界大戦が勃発した1939年。
ソ連の侵略により、国土の東側を失ったフィンランド。
このときのフィン・ソ戦は「冬戦争」と呼ばれている。
それから約1年半。
フィンランドはヨーロッパで勢力を強めていたドイツと手を組み、失った国土を取り戻すべく、ソ連への侵攻を開始する。
それは、ソ連との果てしない泥沼のような戦争の始まりだった・・・
といったところから始まる物語で、奪われた土地を取り戻して再び家族と農場を再建したいと願う熟練兵ロッカ(エーロ・アホ)や、結婚を控えたまま戦地に赴いた中隊長カリルオト(ヨハンネス・ホロパイネン)、戦場でも純粋な心を失わないヒエタネン(アク・ヒルヴィニエミ)など、タイトルどおり「名もなき戦士たち」の物語。
とにかく、戦闘である。
塹壕近くに落ちる爆撃弾や銃弾など、まさに戦場にいるかの如く緊迫感。
主要人物たちも、あっけなく(といっていいほど)次々と死んでいく。
戦勲をあげるような英雄は出てこない(いや、熟練兵ロッカだけは、幾度も死地を潜り抜けて生き延びるのだから、それだけでも英雄なのだが)。
と、リアルな戦場映画である。
最近、国会議員のひとりが「戦争で奪われた領土は戦争でしか取り返せない」云々という不謹慎な発言をしたが、そうなるとどれほど悲惨なことになるかは、この映画をみてほしい。
監督はフィンランド内戦にシリアスな恋愛を絡めた映画『4月の涙』を撮ったアク・ロウヒミエス。
今後も注目したい監督のひとりです。
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シャンタルさんのコメント
2019年6月23日
戦争ものの映画は日本だとチンケになり、かえって嘘臭くなりがちですが、海外の戦争映画は自身が【その場にいる】かのような疑似体験しますよね。政治屋野郎はこういう作品を見やがれですよ!