「ちょっとは怖い。次回作で俺たちはビックリする(きっと)」貞子 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっとは怖い。次回作で俺たちはビックリする(きっと)
心霊スポットを撮影した弟が行方不明になり、大島まで探しに行く臨床心理士の姉の話。
この映画の原作は「タイド」だとあれだけしっかり打ち出しているってことは、この映画のキーポイントは姉弟。そしてこの結末ということは、明らかにこの映画はエピソードだということだろう。「タイド」とは似ても似つかぬ展開になっているが、姉弟というプロットだけは重なっているので、第2第3弾でまとめていってくれるのでは。
池田さんを見ていられるのは、楽しかった。
しかし、今回観るにあたり、リングの復習とタイドの予習をしてから行ったのだが、「リング」は小説も映画も、ほんとうに傑作だなあ。
「録画を見ると死ぬ」という、日常(当時)が恐怖に反転するアイデア。見ると死ぬという因果関係が徐々にわかっていき、その後には「なぜ?」というか「どうしてこんなテープができたのか?」が解かれていく様は、次頁をめくらずにはいられないテンポ。そしてわかっていくことがいずれも(心理的に)怖いことばかり。
そして、ホラーと言えば「そっち行っちゃダメ。襲われるに決まってるじゃん」というほら出たビックリのお化け屋敷映画だったところへ、小説のよさだった “心理的恐怖” をこれでもかと詰め込んだ、まさに時代を変える “Jホラー” の先駆けだ。
そんな奇跡のようなことは、決して頻繁には起きないのだろうが、観る側としては、やはり期待してしまいます。
今作は、若干お化け屋敷的だったり、少女お助け映画風だったりするので、映画.comの評価も厳しいものが多いようだけれど、是非次回作で「こうなるのか!そのためのあのエピソードだったのか」とビックリさせてほしい。
心配なのは人気が出ないと次回作が出ないという映画界の厳しい掟。でも今日は、海老名の高校生カップルがけっこう入っていたよ。