「いい映画なんだけどラストがおかしい」サイダーのように言葉が湧き上がる プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
いい映画なんだけどラストがおかしい
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コミュ障気味のチェリーくんと、出っ歯を隠し常時マスクのスマイルちゃん。
ふとしたことから知り合い、同じ老人介護施設で働くことになる。
そこの爺さんがずっと探し続けてたレコードがあった。
半分ボケてるし、最初はそれが何のレコードなのか分からなかった。
でも調べるうちに色んな事実が見えて来る。爺の嫁は元歌手だった。
結婚してまもなく亡くなり、爺はそれを懐かしんで探してたのだった。
そして2人は爺の実家であるレコード店でそれを見つける。
そういう一連の出来事の中で、2人は互いを好きになってた。
でもチェリーはもうすぐ引っ越すことを告げる機会を見失ってた。
その引っ越しの日が夏祭りで、スマイルは老人らで盆踊りをしてた。
そこにチェリーが飛び入り、マイクで会場に響き渡る声で告白。
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真面目で一生懸命だが、不器用なためクールに見えるチェリーくん。
おれの少年時代と重なり、最初からすごく感情移入しながら見てた。
出っ歯にコンプレックスを持つスマイルちゃんとも気が合って、
何かいい感じに話が進んでいく。結構泣いたりもした。
でもなあ、ラストがなあ・・・これどうなんでしょ?
感情が高ぶって、スマイルちゃんに告白しに行くのは分かるよ?
でも何でマイクで会場全体に響き渡るように告白してんの?
あとその時スマイルちゃんへの思いをつづった俳句を読むのだが、
8回くらい繰り返すんよな。ただ自分に酔ってるようにしか見えねー。
そしてスマイルちゃんがそれで笑顔になり、突然マスクを外す。
何それ?容姿への劣等感を克服する過程を楽しみにしてたのに、
全編を通じてそこはほぼ触れられず、最後に急に外すのか?
劣等感なんてものは、結局自分と向き合って克服するしかない。
なのに他人に好きって言われることで自信回復とか、それどうなの?
そんなの今だけで、明日からまたマスク復帰でしょ?って思った。