「王道+俳句。」サイダーのように言葉が湧き上がる 小幸さんの映画レビュー(感想・評価)
王道+俳句。
ずーっと前から予告を目にしていたためタイトルはよく知っていたのと、
上映開始時間的な都合からタイミングが丁度よかったため観賞。
結論として、そんな成り行きで観たのが申し訳なくなる位の良い作品でした。
ストーリー自体はボーイミーツガールでまあまあ王道な青春物ではあるのですが、
なんといっても登場キャラクターが全員魅力的。主人公やヒロインはもちろんですが、
脇役の少年少女からおねーさんおにーさん、果てはおじいちゃんおばあちゃんに至るまで。
それに加えてそんな魅力的なキャラクター達がこれでもかとばかりにぐりぐり動く。
アクション的なシーンだけではなく表情や仕草等の細かい部分まで描写がされており、
キャラクターの動かし方にかなり拘っているように感じました。
そして地味ではあるのですがなかなか強力な印象をもたらしたのが音。環境音です。
蝉の声や料理の音に水道の音、扇風機の遠近までしっかりと表現されているのが
とても心地良く、どこか懐かしいような、そんな日本の夏を感じました。
90分という割と短めな尺ではありますが、一つの物語として
テンポ良くしっかりと纏められた凄い作品でした。おすすめです。
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