「人類史上最も戦死者が出た戦争」彼らは生きていた Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
人類史上最も戦死者が出た戦争
近所でやり始めたので鑑賞
感想は
ドキュメンタリーというか
映画というか中間的な部分をうまく捉えた
新しい作品だと思いました
100年前の大戦争の英国に保管されていた映像を
修正、加工し当時の資料からアフレコを追加し
きわめて映画風に仕上がっています
ちょうどワンカット(風でしたが)話題になった
「1917」と設定はほぼ同じで
1917のセットがいかによく再現していたかを
知ることも出来ました
1917はそこより撮影法にばかり注目が
行ってしまいましたが…
イギリス人もドイツ人も普通に交流していた1914年7月
突如宣戦布告された戦争によって英国の若者は戦地に
駆り出されていきます
若者達は祖国を守るとか名を挙げると行った
格好の良いイメージで集まった若者達は訓練の厳しさに
後悔しながらも戦地へ旅立っていきます
第一次世界大戦の特徴は塹壕戦で
互いに前線では塹壕を掘り進んで睨み合っており
そこを乗り越えるために戦車が開発されたり
毒ガスが使用されたりしました
そのため前線は地獄をきわめ
そこら中に死体が転がり衛生環境も最悪
唯一の楽しみの紅茶のお湯も場所がバレるので
沸かせない有様
そしてドイツ兵を殺せと勇んで戦うものの
元々交流していた間柄
いざ捕虜を前にしても敵とは思えず
打ち解けてしまったりする間にこの戦争の意味が
わからなくなってくるのでした
そして命からがら帰ってくると
国の世間の人や家族は戦争に全く関心無く
帰還兵に冷たく当たる有様
ここで「騎兵隊が突撃すると思ってる」と
戦争を経験していない人のイメージのギャップを
目の当たりにするのでした
結局この戦争を以て現代の戦争がいかに大量の
犠牲者を出したことに各国が恐怖し
国連を含め戦争準備を縮小する条約が
結ばれることになったのでした
でも何より恐ろしいのはこの2000万人が死んだ
戦争の20年後に再び戦ってしまった事です
戦争を体験していない、いやしないで済んでいる
世に生きる我々にはこうした形で当時を知れるのは
良い時代になったと思います