劇場公開日 2019年11月1日

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「悲しみ漂う作品、しかし泣けない」閉鎖病棟 それぞれの朝 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0悲しみ漂う作品、しかし泣けない

2019年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

死刑制度や司法制度あるいは犯罪学とか、罪と罰とか、家族とか人間関係とか、心の病とか暴力とか…観賞というよりも色々と考えさせられる事柄が多くて、単に面白いとか楽しいという表現ができない。
展開やストーリーには全くリアリティは持てなかったのは必然的なことなのかもしれないと思ったし、むしろあれだけの物語を違和感なく伝えていることに凄さを覚える。
俳優陣の熱演が強烈な作品への吸引力を作り出しているように感じた。
悲しみを作り出している作品なのに全く泣けないと思ってしまった。しかし、あらゆる感情や思考を刺激して止まなかったのは、この作品の役者全員の素晴らしいパフォーマンスがあったからこそ。それを引き立てようとしている明確な映像構成も非常に分かりやすくありがたかった。
社会に潜む難しい問題を分かりやすく重々しく伝えてくれる映画だった。

SH