劇場公開日 2019年11月1日

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「「病気」にある背景をみつめて」閉鎖病棟 それぞれの朝 chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「病気」にある背景をみつめて

2019年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読  妄想、自傷行為、常同行為、暴力、暴言、幻視、幻覚、不眠  社会で生活することが不適合とされる行為(症状)が現れると、その不適合な症状をしっかりと受け止め、療養する精神科病院 一昔前はその密室性から様々な事件が報道もされ、「開放化」の流れになっている中においても、家族や社会との関係が損なわれてしまい、長期の入院にならざるを得ない現実も依然としてあります「周囲からのすすめ」で医療保護入院の形態をとっていても、帰る場所がなければ任意入院にならざるを得ない背景もあるのでしょうか
医療者ではなく、患者同士の関係から描かれるところで、「病気」に至った背景を思わざるを得ません  不適合な症状を「抑え込む治療」と共に、陶芸や書道、絵画などの「創作活動を地道に取り組む治療」に作業療法士さんや精神保健福祉士さんが現実には取り組まれていて、地道な精神科医療の現場もよく描かれていました 売店や屋外の様子、外出許可や金銭の所持など、今の精神科病院の姿もわかります  患者同士のおもいやりのようなものの存在に、希望を持ちたいと思うラストでした  (11月2日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)

chikuhou