劇場公開日 2019年11月1日

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「事情をかかえていない人間なんて、いないからね。」閉鎖病棟 それぞれの朝 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5事情をかかえていない人間なんて、いないからね。

2019年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

閉ざされた世界で寄り添いながら生きている人たち。重くて暗くて気が滅入る。
ああ、ここに自分がいなくてよかったと思ってしまう人間の醜さを自分の心の中に見つけてしまって凹んでくる。
原作者帚木蓬生の本はどれも、医者たる本人の知識と見解に裏打ちされた深みある物語ばかりで好きだ。だから、凹まされても、懺悔に近い気持ちで素直になれる。この話も、まさにそう。この映画の良さは、それぞれの人物に生きる力がみなぎっていることだ。ときに負の感情に襲われることもある。だけど、たとえ素敵な未来が描けなくても、過去の呪縛から逃げられなくても、自分を信じてくれる仲間がいることの心強さに揺さぶられた。
ただしあれで終わっても、それぞれに困難な人生がまだ続く。むしろ、人生は困難を乗り越えていくものなのだと思えばこそ、彼等に生きていく力がわいてくるのだろう。

栗太郎
栗太郎さんのコメント
2019年11月21日

>のんびりゆっくりさん。
はじめまして。
人生に立ち止まっている人にかけてあげる言葉は、叱咤や慰めやいろいろありますが、全てがその人に届くとは限りません。でも、信じてみませんか、のその言葉、届いたのですね。まるで、情けは人の為ならず回り回って己が為、のような言葉です。

栗太郎
のんびりゆっくりさんのコメント
2019年11月20日

初めまして。
人を信じることに臆病になった私がいました。この映画を見る前に、、、ある人が言った言葉がありました。
裏切られた以上の数、信じてみませんか?・・と。困難な人生かもしれませんよね?でも、あたしは人を守ること、信じることの大切な気持ちがあればきっと、未来は明るく夜が明けると思います。すみません。それだけです。。。

のんびりゆっくり