「めちゃくちゃすごい」システム・クラッシャー 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
めちゃくちゃすごい
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主人公のベニーがとんでもないきかん坊で、重度の発達障害がありそうで、本人も辛そうだ。見ていて胸が痛むのだけど実際身近にいたら手に負えない。お母さんもお母さんで、問題人物ではあるのだけど、そこらにいくらでもいるレベルで彼女は彼女で二人の子どもを育てていて大変だ。そこで福祉が手厚く機能しているのがありがたい。
ミヒャが山に連れて行ってそこですっかりいい子になるかと思ったらまったくそうではない。あそこまでやって無理なら、無理なものは無理だ。かかわる人々全員がダメになる。どうしたらいいのか全く分からない。
アフリカに行くかどうかという結末だったが、そこでもダメならどうなるのだろう。ベニーが機嫌のいい時、とてもかわいらしくていい子な瞬間があるのが切ない。
子どもの頃母親によく「そんなに一人がいいなら山に行って暮らしなさい」とよく言われたものだが、実際一人で山で暮らすしかないかもしれない。時々食べ物を届けるとかして、病気になったらお医者さんに連れて行ってもう誰も関わらずに暮らしてもらう。それも残酷なのだけど、隔離施設や刑務所よりはいいのではないだろうか。
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