「愛情を注げない親は実在する、残念ながら」システム・クラッシャー バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
愛情を注げない親は実在する、残念ながら
まずベニー役の女優さん、すごい!
この方の演技がなければ、本作は成立
しなかったでしょう。
というか・・・そういう方なのか?と
思ってしまうほどの説得力ある演技でした。
ゆえに、本作を通してずっと緊張感が
続きます。はれ物に触るような・・・
ってまさにこの感じなんだろうなぁ。
子供なんて悪いわけがない。
愛を注げない、愛を受け止めない親が悪いだけなのに
しわ寄せは子供に。つらい現実。
抱きしめて抱きしめられる。無償の愛の
大切さがいかほどか。
ベニーにとって大切なそれはついには人間以外に
たどり着くことになってしまう・・・。
ただただすがるような想いがつらすぎます。
支援できる大人にも限界があることも
辛い現実の一つなんでしょう。
親の愛情の代替は完全にはできない。
本作は親子関係をセリフで説明しません。
ほとんど。
システム・クラッシャーたるベニーの事実
ばかりを見せますから「あぁこの子は」って
思っちゃうかもしれませんが、どうか
注意深く見てほしいです。そう、この不審な
親子関係を見守る職員の気持ちで。
ベニーがオムツを顔に押し付けられた事実は
なぜ発生したのか?・・・差し込まれる一瞬の映像
最後のベニーと母親の抱擁シーンでの母の「目」
(女優さんの演技すばらしい)
本当、救いようがない現実を映像で
感じてほしいです。
ゆえにラストカットのベニーに
将来の明るさを感じることができなかった。
ハッピーを願いたいけど・・・。
彼女はどこに旅立ってしまったんだろう・・・?
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