「救いがない、が。」システム・クラッシャー だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
救いがない、が。
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ベニーに現実で相対すれば、確実に無理って思う。手に負えないし、私に救える(と言ってしまうのはおこがましいが)わけでもなし。
でも9歳から10歳の子どもを切り捨てるわけにもいかない。ほんでベニーの母親よ、あれはあかん。その場しのぎで軽口を叩き、結局逃げる。
母親の家にいた男は、父親ではなく彼氏的なやつよね?弟妹の父親は誰なんかな。
計画的に子を成したとも思えない母親だしなぁ…
母親だけが悪いわけでもないだろうし、ベニーにオムツを押し付けたという父親がどこにいるんだかだし。
数多の施設に断られ、里親も見つからず、治療には住環境整わないととか、一時預かり施設に愛着湧かせたらあかんとか…親身になって愛着を持たれるとミヒャみたく自宅に来られちゃう。
ベニーにとっても支える人にとっても、どうすりゃいいのかわからんよね。
これどうまとめるのかなぁと思ってたら、ケニアの教育か矯正施設に行くことになったけど、搭乗前の手続きの途中で逃げ出すところで終わった。え?そのまま?救いがねぇよと思うが、ここで何らかの希望を見せられても嘘くさい気もするし。
このまま長靴下のピッピよろしく自由に暮せるといいけど、火宅はそうもいかまい。
ベニーの生命力を、ニーナ・シモンのAin’t Got No, I Got Lifeが象徴するエンドロールは、すばらしい。その生命力で生きていけたらいいが…
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