ワン・セカンド 永遠の24フレームのレビュー・感想・評価
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期待外れ、説明不足。
私の鑑賞予定に入っていなかった作品だ。しかし、昨日の朝日新聞夕刊映画欄の批評を読んで、観る気になった。自分でも何故だかわからないが、中国の文化大革命時代を背景にした映画に惹かれてしまう。思うに、私が戦争体験もなく、言論の自由が保証された民主主義国家に育ち、この映画のように苦難(文化大革命や貧困)を味わったことがないからだろうと推測する。それはそれで幸運なことだけど、偉大な芸術家や作品はこの日本から生まれないと確信している。生まれや生い立ちに恵まれなかった人は例外として。
さて、この映画を鑑賞して感じたことは、タイトルに示した通りである。新聞や雑誌の映画評は、ほとんど提灯記事(今の若者にはこの意味解るだろうか?)である。期待だけ持たせておいて、罪なものである。まぁ、この映画は合格点を与えてもいいだろう。但し、シニア料金ではの条件つきだ。
なぜ、主人公は娘が映ってるニュース映画を脱獄してまで探すのか。娘が生きているのか、死んでいるのか不明だ。おそらくは亡くなっていると思う。
映画の中でそれとなく説明して欲しかった。2時間も上映時間があるのだから。
舞台は中国の辺境らしい砂漠地帯だ。砂漠の景色が美しい。荒涼した砂漠を一人歩く姿は、人間の孤独を表現しているみたいだ。
良きフィルム缶上映の時代
同じフィルムにしても、そのフィルムの情報に執着する男と、そのフィルムの材質に執着する少女の物語。方や娘への愛情。方や弟への愛情。結局は、その同じ愛情で融和する二人。
砂漠の流れる砂は、時の流れ、て言う事では。
映画と言う芸術に対するアンチテーゼなのかなぁ?
予告編を見て、あまり期待していなかったのだが『紅いコーリャン』の監督ゆえ見に来た。しかし、実は『紅いコーリャン』はよく覚えていない。ネット配信ゆえ再鑑賞しようと思っている。
劇中、人々が感動して見ている映画が『アナクロで何かおかしい』とこの映画を見る鑑賞者は誰でもそう感じると思う。だから、ひょっとしたら
映画と言う芸術に対して、この監督のアンチテーゼなのかと僕は感じた。極端な事言えば、映画なんかで社会は変えられないと言っているように見えた。
まぁ、彼を体制的監督として見る事も出来るが、ハチャメチャ(コメディ的要素もある)なストーリーの中にも、一つ芯が通っているように僕は感じた。『ニュー・シネマ・パラダイス』のリスペクト作品として見るから、薄っぺらな人情を描いた駄作と感じてしまう。そう、見なければ。
敦煌の砂漠に流れるウィグル系(中国語ではない)の言葉で奏でられる歌が、僕の心を洗ってくれた。涙がこみ上げて来た。終わり方はなんとなく分かったけど、おまけがあったって事だ。
暗い深刻一辺倒の文化大革命が、こんな軽佻浮薄な、コメディ人情劇の様な社会であった訳が無い。意味深な副題はネタバレになったり、誤解を与える。
かなりの名作かもしれないが、今の所わからないので。
こっちのチャン・イーモウの方が好き。
原題に説明調の副題だが、よけいに何がなんだか判らない邦題になってしまっている。もう少し練っても良かったような気がする。
ベルリン映画祭で謎の上映中止事件。文革時代の巡回映画を舞台にニュース映画に映りこんだ娘の姿を一目見ようと脱獄していきた男の物語。興行的な狙いの痛快娯楽武侠ものより、こちらの素朴系イーモウの方が好きだ。
中国の砂漠化はすごい。
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