劇場公開日 2020年8月14日

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「今、観たい映画。」赤い闇 スターリンの冷たい大地で 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今、観たい映画。

2022年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ロシアのウクライナへの蛮行はたった5か月前に始まったことではない。
それがよく分かる映画です。
1933年頃にはウクライナはロシアの穀物庫の役割を果たしていた訳ですが、
ウクライナ国民はロシアに穀物の殆どを搾取され飢餓でバタバタと死んでいたのです。
そのずうっと以前からウクライナはロシア(ソビエト連邦)に搾取され続けている。
その一端がよく分かる映画です。

2019年(ポーランド/英/ウクライナ)アグニシュカ・ホランド監督。

スターリンの粛清・・・400万人〜1450万人が飢餓やシベリア送り、
           弾圧、処刑で亡くなったとされる。

1933年。イギリスのジャーナリストのガレス・ジョーンズ(ジェームズ・ノートン)は、
世界的大恐慌下でのソビエト連邦の繁栄を不思議に思っていた。
真実を探るべく、モスクワに取材に訪れる。
そして禁止されているウクライナへ単身乗り込むのだった。
ガレス・ジョーンズは、実在の人物で、この映画も実話に即しています。

1933年。モスクワの穀物倉庫と言われるウクライナの人々はパン一切れにも
窮して死肉を貪っていた。
寒さと飢え・・・雪道に転がる死体。
馬車に無造作に積み上げられた死体。
目を覆う惨状だった。
(穀物は全てモスクワに送られて、政府高官は栄養栄華パーティーに興じていた)

これが西側諸国が思いもしないソビエト連邦スターリン政権の真実だった。

ガレスの告発記事はイギリス政府の手で揉み消され、真実は闇に葬られるか?
と、思ったその時・・・
ガレスの咄嗟の機転で、告発記事は日の目を見る。

当時のソビエト連邦の真実を告発した若き記者の、勇敢な行動を描いた映画です。
ウクライナの子供たちの飢えた目が、衝撃的です。

娯楽性は少なくて面白さも限定的ですが、命懸けで真実を伝えようとする
ジャーナリスト、ガレット・ジョーンズ。

たった1人での告発は猪突猛進で、やや無謀にも思えました。
彼が暗殺されず無事に生き延びたのは、後ろ盾となったイギリス・アメリカの
新聞社やジャーナリストたちのお陰でしょう。

琥珀糖
琥珀糖さんのコメント
2022年7月27日

再びのコメントありがとうございます😊
まさか21世紀にこんな戦争が起こるとは思いもしませんでした。
それを止められない国連とかに、無力感を感じます。
どうしたらロシアを止めさせれるのでしょうね。

琥珀糖
こころさんのコメント
2022年7月26日

琥珀糖さん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
一方的に戦争を仕掛けられ、多くの建物を破壊され、数多くの死者や負傷者を出し、大国を相手に戦い続けなければならない苦しみ。歴史は何故繰り返されるのでしょうね。。

こころ
こころさんのコメント
2022年7月26日

琥珀糖さん
ウクライナの人々が、ロシアに対して「 もう二度と 」との思いを強く抱くその理由が、深く理解出来る作品でした。
多くの方に観て頂きたい作品ですよね。

こころ