「近い将来の話かも」赤い闇 スターリンの冷たい大地で MARさんの映画レビュー(感想・評価)
近い将来の話かも
ヒトラーへの取材経験もあり、世界恐慌にあってなお繁栄を続けるソ連に疑問を抱き、その真相を追い求めるイギリスの若手記者の物語。
エンタメ要素は皆無と言って良い作品。特に派手なシーンもなく、淡々と物語が進んで行く。
粗モノクロのような映像で映し出されるウクライナの状況がとても辛い。
特にショッキングだった、子供たちの小屋でスープを食べるシーン。
予告映像でも、「何の肉だ?」と言っていたので、恐らくちゃんとした肉など無く、家の中で見つけたネズミでも捕まえて食べているんだろう。悲惨すぎる状況だ…。
なんて想像していたのだが…。
その他にも、「次の世界大戦は既に始まっている」、「真実が伝えられていない」といったセリフの数々にハッとさせられたのは私だけではないはず。
同じようなことは既に今現在起こっているのでは?
とにかく、記者魂で真実を伝えようと奔走した人物達の生き様にはグッときたと同時に、理不尽さに対する虚しさ、やるせなさも感じた作品だった。
ホロドモールのようなことが今後…どうかは分からないけど、本作は決して過去の出来事を伝えているだけの作品にはとても思えない。
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