「フランス映画の佳作🌟」グレース・オブ・ゴッド 告発の時 ジリオロッソさんの映画レビュー(感想・評価)
フランス映画の佳作🌟
重いテーマのため、今まで迷っていましたが、「僕を葬る」でのオゾン監督とメルヴィル・プポーのファンなので観に行きました。
結果、やはり観て良かったです。
近年はヨーロッパ映画を観る機会が少なくなり、ハリウッド映画の「いかにも作りあげたゴージャス感」に慣れていた自分には、フランス映画特有のウェットな感覚・・・被害者たちが現在住む家、濃密な家族の在り方など・・・の描き方がとても心に染み入りました。
被害者の1人ひとりに丁寧に光を当てて描いていて、実はその妻のほうも性的被害を受けていた過去があったり、今まで息子の苦しみに気が付かないふりをしていた母親が、時を経て一所懸命に力になろうとしているところにもグッときました。
個人的に、リヨンを観光した時のフェルヴィエール教会などの景色も懐かしかったのですが、アレクサンドルが家族で祝うクリスマスのシーンは本当に美しくて・・・
息子達がカトリックの学校に通っていたり、日々の生活と宗教が切っても切れない環境にあって、それでも告発せずにはいられなかった苦しみがいかに深いものかを考えさせられずにはいられない映画でした。
静かな作品を見たい時にオススメします。
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