「医者の処方する鎮痛剤が・・・」ベン・イズ・バック kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
医者の処方する鎮痛剤が・・・
なんということだ。鎮痛剤から薬物依存症に発展するなんて。アメリカは日本に比べるとオーバードーズ気味の処方であることは間違いないが、ここまで酷くなるなんて信じられないほどでした。さすがにホスピスでの鎮痛剤はモルヒネとかの麻薬そのものだから考えられるけど。
オピオイド系薬物乱用による死亡事故が多発したことから、トランプ大統領が非常事態宣言を出したほど、アメリカでは深刻な社会問題になっている薬物汚染。2016年には薬物による死者が6万7千人にも及んだらしい。医者が悪いのか、常習してしまう者が悪いのか、とにかくそれを闇の商売にしてしまう奴も増えてくるから困ったものだし、「最期はみんな川の向こうに行っちまうんだよ」と話す老人が印象に残る。
77日薬を断ったと自信も回復しつつあるベンにとっても、クリスマスたった一日の話なのに過去のしがらみが亡霊のようにつきまとい、ついに家族にまで迷惑をかけてしまう。犬には罪はない!ベンが死にそうなときにも助けてくれたんだし・・・と、ヨーキーにも似た小型犬が愛おしくてしょうがない。『オズの魔法使』に出てくるTOTOにも似ていた。
母親ホリー(ロバーツ)にとっても実子であるから何とか更生させたい。買い物もずっと見張るかのように一緒に行動し、その間にも憎らしい医者や死なせてしまった少女の母親にも出会うのだ。そして犬がいなくなってからは愛情あふれる母を見事に演じている。タイトルのダブルミーニングも最初と最後で表現しているところがニクい。
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