劇場公開日 2019年5月24日

  • 予告編を見る

「観客をやや振り回し過ぎだが、脚本としてはよく書けている」ベン・イズ・バック ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0観客をやや振り回し過ぎだが、脚本としてはよく書けている

2019年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『ビューティフル・ボーイ』が光を失わずに深刻な題材を描ききったのに対し、本作は同様のテーマをなかなか先の見えないミステリー仕立てで描き切る。目の前に突如姿を現した青年。本来ならば薬物リハビリ施設に入所しているはずの彼が、なぜ————。彼が口を開けば言い訳や虚言ばかり。どこに真実があるのか一向に分からない。そんな中で家族は混乱の只中に陥っていく。

果たしてこの主人公に興味が持てるかどうか。そこから本作への没入度が変わってくるはずだ(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で彼を見知っているのとそうでないのとでは、受け止め方に大差が出るかも)。と同時に、母親として息子を信じきるジュリア・ロバーツに関しても、主演俳優の演技の「受け」なので、結局は彼次第で真価が決まる。正直なところ全体的に観客をやや振り回しすぎといった印象だが、脚本としては各キャラクターがよく描きこまれていて優れた部類に入るだろう。

コメントする
牛津厚信