「誰でも陥る可能性のある薬物依存の怖さ」ベン・イズ・バック regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
誰でも陥る可能性のある薬物依存の怖さ
よくある薬物依存症がテーマの映画ながら、その薬物が覚せい剤やコカインなどではなく、ケガ治療で処方されるオピオイド系鎮痛剤の依存というのがポイント。
つまりこの依存症は、知らぬ間に誰でも陥る可能性が高いところが怖い。
しかし本作は、そうした薬物依存への解決法を具体的に示さず、とことんまで突き放して描いている。
逆に言えば、そうやすやすと克服できるものではないという事の深刻さを表しており、依存症に陥った者もその家族も根気を要するのだ。
J・ロバーツ扮する時おり火が付いたようにヒステリックになる母親と、L・ヘッジス扮する苛立つとすぐ物に当たる息子。こういう細かい点でも、親子の共通性を感じさせる描写は上手い。
ラストは一見中途半端に感じるかもしれないが、“収まり”を良くするために、あそこでブッツリと切ってエンドマークにしたと解釈したい。
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