「奥の深い、考えさせられる物語なのかもと感じました。」ある船頭の話 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
奥の深い、考えさせられる物語なのかもと感じました。
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予告で観た風景が綺麗だったのに惹かれて鑑賞しました。
見応えありました。
とにかく幽玄な世界。
明治なのか、それとも昭和初期なのか。
文明と伝承の狭間のような、終始幻想的な映像でした。
渡し船で川を渡るシーン。
背景には山、そしてまた山。
ゆったりとした流れを滑るように進む小さな舟。
請われるまま、岸から岸へと舟を漕ぐ船頭。
遠くに架けられつつある橋。
船頭を嘲る言葉を吐きながら舟に乗る工事の男たち。
何を言われても黙々と、ただ舟を操る船頭。
このような場面が繰り返すのですが、見ていて飽きませんでした。
この世界を語る重要なキーワードと思えたのが、「流れ」。
時間
時代
風
そして川
橋が完成し、役目を終えた船頭。
最後の場面
流れに抗うのを止め、舟ごと流されて行くしか無かったということなのでしょうか。
そんな哲学的な作品だったのかなと、感じています。
そして柄本明。
この人以外にこの船頭役はできないと思えたくらい
素晴らしい演技でした。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
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