ジョーカーのレビュー・感想・評価
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ドイツ表現主義を彷彿させる視覚表現の優れた統一性
悪役ジョーカーの誕生秘話を丁寧に、しかも同情的に寄り添う内容で邪悪の説得力を持つ境地に至った傑作。新自由主義経済の行き着く先のアメリカンドリームの崩壊に、ゴミのように扱われる人間の怒りが社会と時代を象徴すのか。主演のホアキン・フェニックスの精神に異常を来たす演技が、不気味さと悲哀を兼ねた複雑な表情を見せて圧倒的です。そこにパントマイム風ダンスが優雅さを加える。眼を覆うばかりの残酷な殺害場面が続くも、動機の細微な表現は確かになされている。表現のこだわりでは階段の描き方が傑出していた。通常の階段を上る明(正)の意味合いを真逆の暗(負)の象徴として統一している。主人公が置かれている状況、辿るしかない方向を暗示している。地下鉄で三人目の犠牲者が階段を上がるところで撃たれるのも対比になっている。会社を首になっても上機嫌で階段を降りていく先にさす解放された異様な明るい光、または恍惚のダンスを見下ろすふたりの警察官が映りだすところなど、ドイツ表現主義の継承が窺われる。後者はもっとカット割りで生かしてもらいたかったが。物語は、途中まで「キング罪の王」との類似をかすめるも、後半は主人公が謎のウイルスの如く社会に蔓延し、人に取り付く病原体のような恐怖を感じないではいられなかった。
決してジョークで終わらせていけないジョーク
ホアキン・フェニックスの怪演
衝撃的
すごかったです。
人を笑わせ、幸せな気持ちにするはずのピエロの悲しみ。
劣等感、悔しさ、そしてそれが怒りへと変わっていく過程。
2011年にウォールストリートで起きた「我々は99%だ」というデモを思い出しました。格差社会と言われ、貧富の差がますます広がり、非正規雇用でワーキングプアが増大した日本にもその運動は広がりました。
私には彼の悲しみが痛いほど伝わってきます。誰が彼を悪だと断罪できるでしょう。彼は献身的に病気の母親を世話する心優しい息子でもあります。彼にほんの少しの心のこもった言葉や愛情をかけてくれる友人や親やパートナーがいて、やりたい仕事で生活ができていたら、こんな結末にはならなかったでしょう。
さらに、白人で男性であるという米国では最も優遇されているはずだからこそ、社会の落伍者となるのは女性や有色人種よりつらいのかもしれません。
社会から見捨てられたという感覚、失うものは何もないという絶望感から無差別殺人に走る事件は、日本でも時々起こります。ギリギリのところでなんとかタガか外れないよう保っている人たちが、日本にもどれだけいるか。ジョーカーは他人事ではなく予備軍はたくさんいるのです。
単純な勧善懲悪とは一線を画すこういう映画がハリウッドで作られたことがうれしいです。
ホアキン・フェニックスの演技が圧巻でした。
全く笑えない喜劇
行きつけの映画館で観れば良かったと後悔している
今でもどこかで公開している
自宅から150キロ離れていても観に行きたい気分だ
これは傑作だ
これこそがアカデミー賞にふさわしい
そんな主張すると嫌韓だからだと決めつける馬鹿がいるが全く話しにならないお笑い草だ
ダークナイト2作品よりよっぽどこっちの方が面白い
アカデミー賞の審査員は頭の中を切り開いて中身を見てみたい
古今東西ハリウッドも日本もその他も本編の映像作品に前日譚後日譚のようなスピンオフ作品がよくあるがそのほとんどが全くつまらない駄作か本編に遠く及ばない残念賞だったりする
その代表例がのちに作られたスターウォーズ6作品だ
あれは酷かった
ネームバリューを悪用した紛い物だ
平成仮面ライダーより酷い
だがこれは違う
むしろバットマン系の映画では最高傑作だ
本家超えだ
主演俳優ホアキン・フェニックスがとにかく素晴らしい
褒め言葉のボキャブラリーは少ないので多くは語れないが彼は天才だ
いや鬼才という言葉が相応しい
人間離れした演技力に興奮した
番組本番中にジョーカーに射殺される名司会者マーク・フランクリン役に贅沢にもロバート・デニーロ
凶悪殺人犯相手に恐れることもなく堂々と渡り合い正論を言い放つフランクリン
平凡な司会者には真似できない
だがデモ行進は大嫌いだ
金持ちは殺せとか叫んだり暴動を起こしたりする奴は生きる価値がない駄目人間だ
だからお前らは貧しいんだ
ジョーカーはテロを肯定化している?
馬鹿いっちゃいけない
銭をもらって映画評論しているならそんな笑えないジョークをテレビで言っちゃいけない
丸亀製麺でかけ(並)6食分のカネを払ってでも映画館でジョーカーを観る価値があるよ
マンネリ化したテレビやネットよりよっぽど知識になる
一部熱烈なバットマン系映画のファンには従来のジョーカーのイメージと違うという意見があるようだ
しかしバットマンが子供の頃の話でジョーカーになりたて
詳しくは知らないがこれからおよそ20数年の年月が経つのだろう
それから勉強したりいろいろな人との出会いで人間的に成長し変わっていくのは自然なこと
元知事で政治的発言を繰り返す知性派タレントのそのまんま東が若い頃はどうだったか
『ハケンの品格』の主演が影響して理想の上司に選ばれた篠原涼子の若い頃はどうだったか
そういったことがわかれば受け入れることができるはずだ
良いか悪いか面白いか面白くないか個人の主観で決まる
僕の感想もあくまで僕の主観であり世界三大映画祭の審査員だろうと映画レビューだろうと影響は受けない
みんな違って当たり前なんだ
みんな一緒なんてありえないんだ
みんな外出禁止なんて無茶な話だ
いい年した大人なのに他人の評価を鵜呑みにしていつも多数派に流されて騙されたとか面白くないとか怒るなんて愚かなことだよ
関係あることがディメリット、、、
特別上映を甘く見るな!
中毒性があります
すごい俳優さんですね、ジョーカー役の人!
バットマンファンは見たほうがいい
格差社会の産んだモンスター
ネタバレあり。人間の見ているものとは?
人は皆、主観でしか世界を見れない。
そんな人間の大前提を突きつけられる。
自分が「真実」だと思っていたことは、
本当に真実なのか?
他人から見たら、その真実は虚偽となってしまうことが
往々にして起こりうる。
相手を信じることの美しさは、美しいだけ。
信じていたものに裏切られるのが現実。
理想主義ではなく、徹底的に現実主義な映画。
主観とは、結局のところ妄想なのか、、?
自分の信じていたものを疑ってしまうほど
強い虚無感、恐怖、そして共感を植え付ける作品。
精神的なホラー映画のようで、
しかし映像としては汚すぎず、
素晴らしい。かっこいい。
重すぎる
貧困生活の中でも
幸せを見つけささやかに
優しい気持ちで生きていたのに。
ずっと笑って生きていたかったんだよね。
まわりに理解してもらえない病、そして貧困。
次第に彼のストレスは蓄積され
やがて爆発する。
それはある程度予測していたが
あまりにも残酷なブチギレ方だったので
観ていて正直引いた。
これはムリこれはあかん!と思った。
もっとスッキリ爽快な気分になるかと思ったがそういうレベルではなく
これは観た後にとても落ち込む。
あまり人にオススメの映画ではない。
彼の親子関係も重くて悲しい。
これは。。
素直に泣けないほど、苦しくなる物語だ。
そうするしかなかったの?
なぜそこまでになってしまったの?
そう何度も問いかけてしまう映画だった。
APPLAUSE "That's life!!" 世界に独り --...
APPLAUSE "That's life!!" 世界に独り --- 力強く忘れ難くスクリーンを支配する新生ジョーカー像に揺さぶられる! 究極の悪に打ちのめされるキング・オブ・スーパーヴィラン降臨。『キング・オブ・コメディ』『タクシー・ドライバー』など70〜80年代のスコセッシ×デ・ニーロの名作(あと『ネットワーク』?)を出典元にした完璧なキャラクタースタディで、誰もが知るスーパーヴィラン誕生の物語という側面以上に完璧に打ちのめされるホアキン・フェニックス劇場が社会の闇を浮き彫りにして突き付けてくる。だからこそ人気司会者マーレイ役で名優ロバート・デ・ニーロが出演するのも必然。監督脚本を務めたトッド・フィリップスの手腕も『ハングオーバー』等コメディ映画で見てきたものとはまた異なり、内側を掘って掘って掘りまくる(いや、もしかすると今までもザック・ガリフィアナキスの友達ほしいキャラは...?笑)。展開として多少予定調和的部分も感じたけど、そんな"よくある"を単なるよくあるものにせず、それ以上に人間の狂気に強迫観念的に迫ってくる。ストーリーラインの一種凡庸さスレスレの普通さもそれ以外の突出した部分で補い余りある。ここに自己憐憫や馴れ合いは無く全てが火花飛び散らすように刺激的なプロフェッショナルの仕事に徹している。絶望的救いの無さから常軌を逸脱した行動に走る原理を極力丁寧に観客と共有するようだから「哀」から「怒」に転じた時のエネルギーに戦慄しつつも心のどこかでもっと求めてしまうように狂気を孕む。他人事じゃない。トークショーの際の緊張感たるや! だから緑色の染料や赤いスーツ持ってるか? なんてヤボな質問しちゃダメ。劇中鑑賞するシーンのあるチャップリン『モダンタイムス』のメッセージのように格差社会蔓延する世の中を煽動する♪クリームの名曲ホワイトルームに乗せて。最後の方で流れた血で口の線を引くのが痺れた、あと精神病院で追いかけっこしているのはどこかコミカルだった(チャップリンからの影響?)。香港のデモ等と奇しくもマッチするのも偶然の筈なのに... もし本作が実社会で誰かを凶行・犯罪に走らせてしまったらと考えると最悪だし、こういう作品が製作され、しかもその質が高ければ高いほど、そういう点は議論の的になり得て無視できないが、そこはまた別の問題と捉えたい。から、周りの騒がしさという誤った方法でバズるのでなく、先ずは作品自身と向き合ってほしい。
※アメリカ本国での鑑賞は現状危険そう?※
P.S. 例えば『ファイトクラブ』鑑賞後ほどは社会転覆したい、私欲に溺れ肥え太った豚ども消したいと強く思わなかった。が、本作について社会の歯車を体現して少なくともそれなりの(週の真ん中に酔っ払う余裕があるくらい)無駄に不釣り合いな給料を貰っているであろう馬鹿なサラリーマンどもが本作について語っているのを耳にしたときは口挟んで、おまけに消してやりたくもなった。
Put on a HAPPY face
APPLAUSE "That's life!!" APPLAUSE
TOMATOMETER77%
Joker gives its infamous central character a chillingly plausible origin story that serves as a brilliant showcase for its star -- and a dark evolution for comics-inspired cinema
Guardian, EMPIRE, Total Film, London Evening Standard, Time Out, Times UK, Daily Mail UK 5/5 Toronto Sun 4/4
Richard Roeper 3.5/4
Peter Travers 4.5/5
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