「人間の本性は悪性」ジョーカー 終焉怪獣さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の本性は悪性
昔から悪は人を魅了すると言いますが、アーサーがジョーカーに覚醒する瞬間は震えた。如何なる状況でも殺人や暴力は容認出来ない。それなのに彼の殺人を見ると心が洗われた気持ちになってしまうのは何でだろうと考えました。監督の言う通り、思いやりが欠如している時代。世間の心無い言葉が誰かを蝕む。虐待・障害・いじめ・失業・貧困と格差・・・国や地域は違えど誰しもが直面する問題であり、アーサーのそんな不条理に翻弄され孤立していく姿に共感してしまう。見終えた観客の大半が笑顔で私も晴れ晴れした気持ちで劇場を後にしたのがその証拠。私なんてジョーカーに共感してクライマックスに泣いてしまいました。そんな人が増えて行く程、今の時代は生きづらいし、誰しもがジョーカーとなり得る可能性を持っている。
この映画の独自解釈である幼少期のブルースとアーサーとの邂逅にぐっと来た!やはりこの2人は永遠に戦い続ける運命なんだとしんみり・・・
ヒース・レジャーと比較する人も多いでしょうが、両者ではジョーカーの在り方や解釈が異なるので語る議論は意味がない。
世の中に起こる事に分かりやすい因果関係はなく、些細なきっかけや思い込みで物事は加速度的に悪化する。
見終えた観客の大半が笑顔で私も晴れ晴れした気持ちで劇場を後にしました。誰しもがジョーカーになる可能性を持ち合わせているんですね。
虐待、障害、差別、介護疲れ、いじめ、失業、貧困と格差、暴力、他者への無関心、不寛容と抑圧、社会からの隔絶……様々な社会問題や政治的メッセージがこれでもかと言わんばかりに詰め込まれていて、またそれはどこの国や地域にも存在し、誰しもが直面しうる問題でもあります。