劇場公開日 2019年10月4日

  • 予告編を見る

「ヒースが霞む程の出来。」ジョーカー Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ヒースが霞む程の出来。

2020年3月3日
iPhoneアプリから投稿

ここまで映画を観て武者震いしたのは久しぶりです。
あくまでも個人的な感想で、このレビューが一般的に同意してもらえる様な内容とは思っていません。

が。

冗談抜きで完璧としか言いようが無い。
誰もが己の中でNo. 1映画という物を持ってるはず。
僕は5年ぶりに更新しました。

感情が鷲掴みにされ揺さぶられ、アーサーと同じ感情に意図も簡単に追いやられた。
キャスト、脚本、演出、編集、音楽、全てが完璧と思えました。

ジョーカーと言う人気ヴィランを更に底上げされた様な気もします。

悲しみ、僻み、妬み、悔しさ、劣等感、怒りの感情が絶え間なく襲って来ます。
それを後押しする素晴らしい音楽。
感情にあわせ観る者の心を揺さぶる。

ストーリーも演出も素晴らしいのだが、何よりもホアキンの演技が凄まじい。
精神疾患者の演技と言うのもモラル的にも技術的にも難しいとは思うが、その中にも人間らしさや葛藤、夢希望。そして激しい怒りと劣等感。

そのあらゆる面を内面からもその表情からも滲み出る様な本当に素晴らしい演技。
これぞ怪演だと素直に感じた。

毎日『辛そう』に路地の階段を上がり生きにくい世界で生活の為、母の為、成功する為に
階段の上の世界で奮闘する。
それが一転、一本の糸が完全に切れてしまい、『笑顔』で踊りながら階段を下る描写が入る。
まさにジョーカーの心を写す様でいい演出だった。

ヒース・レジャー版ジョーカーは間違いなくジョーカー史上No. 1だと個人的には思っています。

ただ、ジョーカーとして覚醒した後の姿です。
ここはホアキン版とは比べようが無いが、ジョーカーになってしまう過程において、必要な表現や人物像にこのキャスティングと演技は天才的。

ヒース版は歴史に残るジョーカーとしてファンの中では認知されてます。
これは完全に同意です。
が、この作品を見てヒース版が霞んでしまったのも僕の中では事実。

それほど素晴らしかった。
正直に言うとヒース版を好きな僕は最初この予告を観た時にもうやめたほうが、、とも思いました。
なぜならスーサイドスクワッドの失敗があったから。
ジョーカーはヒースで完結もう作らないでくれと。
なので、粗探しをしてやろうと少し卑屈になって観てしまったのですが、完敗でした。
ダークヒーロー物は意外と簡単な分野だと僕は思っていますが、1番難しいであろうジョーカーというキャラクターでここまでの作品を作り上げた製作陣、キャスト。本当に素晴らしい。

この感情は後数日続くでしょう。
まだ観ていない人はすぐにでも映画館に行くべきです。

もちろん、暴力描写も多めであり苦手な人には厳しいものがあるでしょう。
でも見るべきものはそこでは無く、そこに至るまでのアーサーの感情変化とその描写。

是非とも観ていただきたい。

ベタ褒めで気持ち悪いですが、そこまでこの作品は僕の心を打ち抜きました。

僕の幸福満足度が少ないだけなのかな笑

Flagman