劇場公開日 2019年10月4日

「JOKERの狂気 アメリカ社会の闇」ジョーカー 徹2001さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0JOKERの狂気 アメリカ社会の闇

2019年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

追い込まれていく主人公、カウンセリングが打ち切られ、クスリが打ち切られ。ちょっとしたミスから、生きがいであった仕事も失ってしまう。自分の生い立ちの不幸を知ることで、唯一の肉親である母への愛も断ち切ってしまう。そこで彼が出会ったのが、テレビの司会者ロバートデニーロ。

ああ、ここに行き着いたんだと、見ていて思ってしまった。ずいぶん前になるけど、どういう訳か、学校の芸術鑑賞会で見せられた、タクシードライバー(マジか?)何が何だかよく分からないまま、最後まで見たタクシードライバー。多分PTSDを患ったベトナム帰還兵は、日常になじめず不眠症に悩む。街を浄化するためには、政治家を暗殺するしかない?だったかな。そんな内容だったと思う。

どちらの作品にも共通する、社会からの疎外感、漠然とした社会への不満。今アメリカで、共産主義への憧れが広がっていると聞く。寄りによって・・共産主義とは??!!と思っていたが、この作品がアメリカの社会を何らかの形で反映されているとしたら、ある意味アメリカの闇は、この作品以上に深いのかもしれない。

JOKERは、バットマンの作品の中で、バットマンの敵としてのJOKERとなることで完結するが、現実のアメリカ社会には、バットマンのようなわかりやすいヒーローはいない。トランプはその役目を果たせるとも思えない。

徹2001