「ダークナイトシリーズは全てジョーカーのジョーク」ジョーカー ロキさんの映画レビュー(感想・評価)
ダークナイトシリーズは全てジョーカーのジョーク
知能障害、虐待により記憶障害と精神障害を抱え、妄想癖がある為記憶が常に曖昧である。
彼は精神病院に入院している。
(冒頭に病院にいた事は話してるが、一連の話からすると病院から出ているとも思えない。)
テレビが好きで、良くその真似事をする。
幼い頃受けた記憶が閉ざされているが、潜在的に母親を殺したいとずっと思っていた。
(母親の座る位置のソファに銃口を向け発砲している)
映画を見る上で、最低限それを頭においてみてないと、他のレビューの人のようにただのおっさんが闇堕ちしてあのダークナイトのジョーカーになったの?あれが悪のカリスマ?全然繋がらない!別人じゃない?とかいう感想になってしまうのだと思う。
繋がらないのもそのはず
闇堕ちしてあの、ダークナイトのジョーカーが生まれたわけじゃないから。
ジョーカーの映画はどこまでが現実か妄想かが分からない虚ろな世界観を描いているが、そもそも彼のいる世界が本物で、ダークナイトシリーズその物が彼が作った妄想の世界だから、ダークナイトのジョーカーは彼の頭の中にしかいない。
だからあの世界には
もちろんバットマンもいない。
善良な優しい金持ちもいない。
善良な市民もいない。
あのゴッサムシティもない。
ジョーカーなどという人間もいない。
アーサーのした殺人は母親としいて同僚だけかなとおもう。
(ピエロじゃない状態、銃以外で殺してるから。)
それ以外の一連の殺人は妄想や、別のピエロがやったものではないかな。
とにかく始終妄想が多いので、妄想かもと思って見てないと現実とか区別つかなくなる。
良く精神異常の犯罪者の人がいう現実かなんなのか分からなくなっていうその感覚が映画になってるみたいな気がする。
映画内に出てくる市長、拳銃で撃たれた金持ち親子が彼の妄想が生み出す後のバットマンで、あの街がゴッサムシティのモデルなんだなとおもうが、あれは彼が事故にあって横たわってる間の話なのでそのシーンはアーサーからは見えてないことなので、つまりそこすらも彼の全部妄想かあるいはテレビで見てそこからの妄想のなのかな?
最後に彼は精神病院でジョークを思いついたといって、それを言っても理解出来ないといっているが、あれはあのカウンセラーに言った言葉じゃなく、映画を見てる観客に言っているのだと感じた。
カウンセラーは結局自分事にならないと当事者の気持ちなんて分からない人、分かった気でいる人、傍観者の立ち位置として描かれてて、まさに映画をみに来た人にむけてあなたはこのジョーカーの映画を、ダークナイトシリーズを理解出来ない人だよと言ってるみたいな。
自分も含め、分かった気でいる、分かってない、分かろうともしない、っていうのがレビューを見てもわかる通りそれを物語ってるというか。
ダークナイトシリーズは人の裏が描かれてて、善良な市民すら簡単に悪になれるし、正義すらそれは可能だと皮肉ったとこがあるが、皮肉った映画らしいセリフだなと。
ジョークのオチは?ってセリフがあったが、あれもダークナイトシリーズ(バットマン)自体と、「ジョーカーのジョーク」ってのがそれかなぁ?
じゃないとホントにオチがつかないし。
今回のジョーカーに出てくるものはダークナイトででてくるし、この監督が作った他の作品の物が出てくるのがああ、妄想の元はこれかってなった。他にもあるのかもしれないけど
銀行強盗=アパートの女の人の仕事場
金(お金が無い)
ピエロの面を被った手下=暴動のピエロ達
爆破した病院=母親の精神病院
たった1人の善良な人(囚人)=小人症の彼
お金持ち
執事
理不尽な雇い主=悪のカリスマジョーカー
親が殺された子供=バットマン
地下鉄=モノレール
車=バットマンモービル
拳銃
タイムカード
ダークナイトのジョーカーのイカれてる部分や、辻褄が合わないのも、アーサーは知的障害があるから、高等な事は理解が出来ないことがジョーカーの中でえがかれていたが、妄想部分のダークナイトの矛盾はこの部分があるせいなんだ伏線?が回収された感じ。
ダークナイト冒頭で銀行を襲ったのはお金が欲しいからのはずなのに、マフィアの金を山積みにして燃やしたり。
手下をあんなふうに殺してたら、誰もついてこないのになぜか手下になるやつがいたり。
金持ちが貧しい人の為に利益や知名度を考えず善意だけで何かをする世界だったり
そんな矛盾点はこれを見ることでああ。なるほどとなんか納得した。