「悪のカリスマに対する期待値が高過ぎた」ジョーカー 難波のキャノンボールさんの映画レビュー(感想・評価)
悪のカリスマに対する期待値が高過ぎた
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素直に「期待外れ」と言わざるを得ない。
ダークナイトで輝いていたジョーカーと同じキャラとは思いたくない、というのが正直な感想。
「善良で小心者の青年が家庭環境や社会問題からジョーカーになる」というストーリーは現代の社会を反映しているかもしれないが、そんな話は見たくなかった。
「ジョーカーには過去もなく、理由もなくナチュラルボーンのサイコパスで、誰にも理解できない独自の理想を持った悪のカリスマであって欲しい」と自分勝手な期待を、映画を見ながら再確認させられた。
今まで持っていたジョーカー像は、彼女に同意されるとか、街でピエロデモが起こるとか、そんな事で肯定感を得る小物ではなかった。
ちょっとハジけちゃった虐められっ子のようで、とにかく小物感が強い。
悪のカリスマという点では、直近で見た映画とどうしても比べてしまう。
「ハウス・ジャック・ビルト」のジャックと比較すると、洗練されていないしポリシーも流儀もなく、芸術感もないジョーカーはキャラが薄いとしか言えない。
ビジョンもなく、劇中でカリスマ的扱いになっているのも違和感。
ジョーカー役は、ヒース・レジャーという絶対に越えられない壁がある。期待値を勝手に上げ過ぎたという点を踏まえて☆2。
ジョーカーじゃないキャラの誕生譚としても、別に続編を観たくはならない程度の作品ではある。
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