「本当のバットマンビギンズ」ジョーカー Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
本当のバットマンビギンズ
当初は某殺し屋アクションでも見ようかと
過去作で予習したら見る気が失せてこちらへ
正直バットマンシリーズはティム・バートン版しか
見ておりませんでしたが・・
面白かった
バットマンシリーズは既に荒れ放題のゴッサムシティ
というジョーカーみたいな人がいても全然不思議じゃない
世界観が用意されていると思います
アフリカの大地にいそうなライオンをわざわざ
紹介するようなものでしょうから
あえてそれをやる役者の力量は相当必要でしょうが
まあホアキン・フェニックスさんの怪演たるや
人間の泣くのと笑うのの回路は非常に近いところにあり
「感情失禁」というやつは実際存在します
泣きたいときに笑い出すというのは非常に難しいハズ
それを見事にやってのけあえて流麗でないダンスのステップ
など役者の底力を所々見せつけられます
世界一有名な
道化を演じ自分を偽るのを捨てむき出しの悪を隠さなくなった
道化師ジョーカーを「演じる」のは並大抵ではなかったでしょう
ストーリー的にはあまりヒネりもなく狂気に侵されていくアーサーを
予想通り描いていきますが、ポイントはみんな社会が悪いと言い切れない
ほど常識的で理解してくれる人も何人か出て来るところが
「迷い」を表現していてうまいなと思いました
デニーロ演じるテレビ番組司会者マレーも驚くほど常識人です
そんな人たちも「断ち切って」あちら側の世界に行ってしまうアーサーに
カリスマの誕生を感じてしまうあたり狂気にこちらも
あてられてしまっているのでしょうか?
前述の通りティム・バートン版しかみておらず
やっぱニコルソンのジョーカーが一番とか思ってましたが
そのティム・バートン版とも問題なくつながる作品でした
ピュアな悪が生まれる瞬間を描くことで
正義とか悪を定義する意味の無さを訴える今作
オススメしたいです