「漂う憂鬱感」ジョーカー まめこさんの映画レビュー(感想・評価)
漂う憂鬱感
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この作品をダークナイトの追体験を求める場合、肩透かしをくう羽目にはなると思います。
派手さはないですが、全体に漂う憂鬱感や、ダークな空気感は、そこに浸る気持ち良さを感じさせてくれました。
前に観たアドアストラがブラピを観る映画で、本作は、やはりホアキンフェニックスの為の作品でした。
彼をただただ観る。彼にのみ、感情移入する。そういう作品です。
きっとこの作品の監督は、この作品を通して、誰にだって、ジョーカーになる可能性がある、ということを伝えたかったのではなかろうか、と私観ながらずーっと感じてました。だって、ゴッサムの世界、あの息苦しさ、なんか似てません? いつの時代だってそうなのかしら? 今の日本に似ている気がするんですよねー。
その監督の意思を(勝手に私がおもいこんでいる)感じただけでも、とても良い時間が過ごせました。
憂鬱になるくらい長い階段、その先の曇り空、どこまでも続く下り坂、ゴミの山の向こうのドーナツ屋、だれも掃除しない廊下、落書きだらけのエレベーター。
どこまで続くのだろう、この憂鬱な映像。
どっぷりと浸かりました。どっぷりと疲れました。
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