「上質なミステリーとして観る価値あり。が、ラストで好き嫌いが分かれるかも」アガサ・クリスティー ねじれた家 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
上質なミステリーとして観る価値あり。が、ラストで好き嫌いが分かれるかも
クリスティの作品でもそれほど有名というわけではないが、しかし製作者が声を揃えて「映画化するならこの作品!」と挙げたのがこの「ねじれた家」だったとか。タイトル通り「屋敷」というものを一つの象徴として扱い、そこに巣食う、恐ろしく性格がねじまがった血族たちのねじれた関係性を描きつつ、その心の奥底までつぶさに入り込むかのように部屋から部屋、屋根裏から尖塔にまで場所を移して謎を追う。「ダウントン・アビー」や『ゴスフォード・パーク』といった、これまた屋敷を扱った群像劇で知られる名手ジュリアン・フェローズが脚本を手がけているのも手堅いところ。なかなか犯人がわからない上に、精悍な若者(演じるのは、ジェレミー・アイアンズの息子マックス)が謎解き役の探偵というのも新鮮だ。過去に諜報員として活動した経歴があるのも面白い。ただ、ラストの締めくくり方は本当にこれで良かったのか。好き嫌いが大きく分かれるところだろう。
コメントする