「尻が痛い!」サタンタンゴ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
尻が痛い!
7時間18分、キッチリ見て来た。素晴らしい映像美の中にドップリのめり込んだ幸福な時間が過ごせた。この上映時間の長さに肉体的には尻の痛さに何度も座り替えたり、座り直したりで苦痛であったが、感覚的には言うほど長くは感じなかった。やはり、タル・ベーラ監督の天才が為せる技なのかと変に感心してしまった。風のシーン、雨のシーン、泥のシーン、撮られた自然現象と風景が非常に美しく、詩的である。モノクロでこれほど視覚的に美しく撮れるとは、映画の魅力は尽きないと新たな発見に感動を覚えた。監督は既に引退されたとのことだが、これだけの作品を撮ったのだから、もう自らの作品としては納得が行ったのだろう。監督の功績な対して、素直に拍手を送りたい。豊かな時間を直接手渡してもらった気分の余韻がまだ続いている。最後に一つだけ苦言を呈したい。演出上、必要不可欠なシーンであっても、白痴の少女が猫を虐待した上に殺すシーンは不愉快だった。
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