「庶民の悲劇」サタンタンゴ Morikiさんの映画レビュー(感想・評価)
庶民の悲劇
438分は、やはり長かった。しかし、即位の儀式では、テレビで、繰り返し流される場面を、飽きることなく7時間も、見続ける視聴者も多いのだろうなと思いながら。騙す側は何度でも騙し、騙される側は同じ回数だけ騙され続ける。台詞の中で、「創世記」でなく、「黙示録」と言っていたのは、どの場面だったか?長回しは、背景が見惚れるほど美しさがなく、漫然と見ている間、人物の心理を思い巡らすことができて有意義だが、映画の内容は、時間に比例するものでもなく、長回しを1/3にしたと変わりないのではないか?「地獄の黙示録」の様にdevil を追い求めるのではなく、彼は、向こうからやってくる。投網に掛かるのは、小市民だけ。彼らも、密偵としての金銭は、補償されるだろう。現代社会にも通底する小市民の悲劇。
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