「異形の傑作。」サタンタンゴ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
異形の傑作。
ある男がかつて住んでいた村に戻ってくることによって、それまで平穏であったコミュニティが次第に崩壊してゆく様を丹念に描いた映画です。アンゲロプロスやタルコフスキーの映画を回転数を落として描いたような映画です。音楽で云えば、ワーグナーの楽劇やブルックナーの交響曲の回転数を落としてみたような映画です。寓意に満ちた映画で、例えば、イリミナーシュにアドルフ・ヒトラーの姿を投影してみることは比較的容易でしょう。様々な解釈を許容する懐の深い映画です。とにかく、鑑賞する映画ではなく、体験する映画です。日本語の字幕がついたDVDが発売されたなら、真っ先に購入するつもりです。正直、劇場で7時間以上座って見続けるのは些か、しんどいので・・・。
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