パパは奮闘中!のレビュー・感想・評価
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普段家事育児しないお父さんは大変
妻が家出して、小さな子供2人の世話に奮闘する夫の話
食事がシリアルばかりだったり
子供の服を着替えさせるにも
どこにどんな服があるかわからず
戸惑ったり
仕事をしながらの子供の世話に疲れ果てて
手伝いに来ている若い叔母とプチ浮気
しちゃったり・・・
あぁ、普段家事育児しないお父さんが
突然そういう立場に立たされると
戸惑い疲れる事ばかりよね・・・
仕事では有能なのに解雇されそうになっているし
結局、子供たちにだけ「愛してる」と出先から
ハガキを送ってきた妻とは何の話し合いも
ないまま昇進して、話は終わるのですが
「真実を語る機会」を設けることが大事、
「(家族や他人と)どう距離を取ればいいのか
考える事」に夫は気づくし、
話の流れ的に子育て大変すぎて疲れた妻が
ちょっとお休み欲しくて、夫にその大変さを
理解してほしかったという事らしいので、
引っ越した家に妻が帰ってきたら、きっと
気分も新たに話し合いをしながら今後は
上手くやっていけるのだろうと思った
良作だけど地味な作品なのでコメディーを
連想させる邦題は合ってない気がしました
男は外へ出ると百人の敵
「ミセスダウト」の類いだと思っていたので・・鑑賞後しばし重たい気持ちになった。 シリアスで。 僕のかつての妻は言ったものだ 「今の仕事になってからあなたは怖くなった」。 流通業に携わっています。画面見ながら思い当たることしきり。 オリヴィエとクレールと二人の子どもたちの物語。 あまりにも忙しい。 ましてや中間管理職だとなおさら。 声のトーンもきつく、大声に。そして問題解決を急ぐあまり話す言葉も早口になる。 僕の働く現場も同じだ、 効率化が叫ばれ、早足・駆け足が求められ、そして脚がもつれて転んだ者を人事課は見ている。リストラの影がちらつく。 ・・荷主の人事担当者が黒い手帳を開いて毎日我々をひとりずつ、ひとりずつ、ずっと上から監視している。 ( ⇔ 妻クレールは、女友達のブティックで働いていたが、文字通り生き馬の眼を抜く現場で稼いでいる夫のこんな修羅場とか分かっていたのだろうかなぁ・・)。 夫婦の関係はよく演出されていた、 夫オリヴィエは早出の朝、妻の“最後のコーヒー”をせかせかと受け取り、冷ますためにミルクを入れる、「濃くて美味しいよ」ととりなしは忘れずに言えたがバナナは「いらないッ」と むげに断る。 その日の予定と、(どんくさい、けれど大切な)部下の解雇通告の件で出勤前のオリヴィエの頭はいっぱいいっぱいなのだ。 物言いたげな妻を台所に残して出て行ってしまう。 この男は、間を取ってのゆったりした会話が不得手だ。警官とも、上司とも、妻の同僚や応援に来てくれた母親とも、相手の心を受け取りながらの会話が出来ない。言葉がかぶる。 (演技ホント上手!)。 妻の発病と家出は、もちろん本人の資質もあるから全部が全部オリヴィエのせいであるとは言えない。 でも忙し過ぎたのだ。 ・・・・・・・・・・・・ 僕の知人の法律家の話だが、 彼のクライアントは相談料も払えない病人や破産者ばかり。よそで断られてきた困窮者が口コミや福祉事務所の紹介で連日列をなしている。受け付けを断ればクライアントが呆気なく命を絶ってしまうことを知っている。だから彼は寝ていない。 その彼は、実は、帰宅前に必ず小一時間、車で走るのだ。そうやって仕事中の荒れた気持ちを収束させ、そうして家で待つ妻にケンの立った表情を見せないように、切羽詰まった語感で妻を傷つけないように、法律家の彼は自分をドライブで必要なだけ疲労させてから、玄関のドアを開けている。 「神経を麻痺させているのさ」と言っていた。 妻との夕食は必ず帰宅して守る。しかし妻が寝てから彼は家を抜け出し0時から明け方4時まで彼は事務所に戻る。 で、そうっと夜明け前けに帰宅し睡眠。妻と一緒に起床して朝食は共に守る。 職場の課題が大きいほど男は崖っぷちなのだ。 ゆとりが無いのはいけないね。 世の中に「オリヴィエ」はたくさんいる。壊れる寸前、本人のバーンアウト寸前で。 ・・・・・・・・・・・・ 【二組の兄妹、その①】 兄オリヴィエと妹ベティー。 組合仲間の女性と「セックス会議」をして帰宅した兄を妹ベティーが台所で迎え打つシーンが大好き。 病気の妻が失踪して、子供の世話が限界で、それで妹に助けに来てもらっているというのに、心が折れて他の女の体に逃げて逃げてしまった、そんな兄の帰宅。 “浮気”をズバリ言い当てられたあそこ。なんて素敵な妹からの問いかけだろう、 全部のしがらみからいっとき解き放たれて「素の兄ちゃんと妹」の表情に戻る二人。その支え合いが珠玉なんだなー! 台所での二人の会話、 「大したことでは」 「少しぐらいハメを外したって大丈夫よ」 「良かった?まさかダメだった?」 ・・二人の表情がどんどん変わる。 こんなに肉親を有り難く思えるシーンはそうない。 ここ是非ともしっかり見てもらいたい。 ・・・・・・・・・・・・ 【二組の兄妹、その②】 兄エリオットと妹ローズ。 お母さんが行方不明で失語症とおねしょの始まった妹ローズのためにお兄ちゃんがお母さんを捜しに行く。 それぞれ家庭の事情を薄々感じ、両親の脆さ(もろさ)を実はよく見て育ってきたあの子どもたちは、不安定な夫婦関係よりもずっと近い兄妹の同類項で支えあっているかも。 二組の兄妹の物語ですね。 ・・・・・・・・・・・・ 結局、 パパは仕事と家庭の両立を捨てる。 仕事と家庭の両立は無理だったのです。 子育て、夫婦関係、労使問題と様々なテーマが渦巻いていて動悸が止まりませんでした。 彼らの旅立ちがハッピーエンドになりますように! 【主演ロマン・デュリス】は「ガッジョディーロ」以来気になっている俳優さん。 あのナイーブでユニークなデュリスの良さが、エンディングのスプレーペンキのシーンに出ていて嬉しかった。 ■■■■■■■■■■ 付記 2020.9.27. 男性の(家庭をないがしろにしての)重労働をあるべき姿ではないと評し、それを資本主義の行き過ぎた搾取の姿だと批判するレビューは多い。そこに陥っていく男たちを嘆く声もたくさん聞く。 しかし、 僕もそれに反対するものではないが、この点については確認しておきたい、 つまり、 男は太古より女子供を家に残して、命がけで獲物を獲得し妻子の元へ食糧を持ち帰るという生き方をしてきた。 その衝動と達成感、そして義務感と喜びは、資本家・雇用主から強制された世の仕組みとしてではなく、男の存在の源に“本能”として生まれながらに備わっている行動=生物としての特質なのだ。 家族が大切であればあるほど、男は命を賭けて(過労死さえ喜んで)獲物を探しに家を出る。 マンモスを捕らえるためにアウストラロピテクスが狩りをした本能が、数万年前から現代に至るまで、男の中には厳然として息づいているのだ。 この男特有の内なる要請については妻も夫本人も知っておくべき事、忘れてはいけない人間の基本の姿だと僕は考えている。 女子供が大切であればあるほど男は女たちの知らない理由により、家をあけるのだ。。
民主主義は悔しい人が少ない・・・
タイトルからするとコメディだろうと勝手に決めつけて観てしまった。あ、いきなり笑えない展開に!通販サイトの過酷な労働。労働組合はあるものの、暖房を入れずに帽子を被らされたり、人事はかなり厳しい決断をする。53歳の同僚がいきなり解雇されるし、他の従業員も更新しないとかアガトの一存で決められる。こりゃ契約という名の非正規労働者だな・・・ amazonのような大会社(多分)だろうけど、かなり厳しい内容のブラック企業っぷり。おまけに夫婦共働きじゃないと満足な生活ができない状況も窺える。そんなパパでも人付き合いが良さそうで、誰からも頼られる存在。しかし、仕事ばかりで家庭を顧みない性格のため、妻ローラが行方不明になってからは家事や子どもの送迎で天手古舞。母親や妹までも総動員するが、ローラが帰ってくる様子がないのだ・・・ ローラは心の病を抱えていたようだったが知る由もないオリヴィエ。妻が居なくなってようやく家族の大切さを知るのですが、その忙しさもなんとかこなす器用さは伝わってくる。妹ベティの優しさも感じられるし、いい人ばっかりが目立ってしまいます。それにしてもフランスの労働条件も過酷な様子。息子が「民主主義って何?」などと質問するもんだから、その問いを観客にぶつけてるんでしょうね。頑張れ!と言いたくなるようなラストでした。
【原題:”Nos Batailles:私たちの闘い” フランス雇用問題を背景にした社会派映画。父親の役割を果たしていなかった男が、自らの過ちに気付き人生の軌道修正に踏み出す姿を描いた作品でもある。】
-脚本が粗いが、キチンと観ればオリヴィエ(ロマン・デュリス)の妻、ローラ(レティシア・ドッシュ)が家出をした理由が仄かに理解出来てくる。- オリヴィエが働く物流倉庫会社の労働環境、雇用条件が相当劣悪な事が徐々に明らかになる。 ・年齢の影響なのか、生産性が落ちたオリヴィエの同僚、ジャン=リュックは人事担当の女性から、あっさりと馘首され、自ら手首を切る。 ・同様にオリヴィエの同僚の女性は妊娠を理由に契約を更新されない・・。 ーおい、フランス。相当ブラックな企業をかかえているな・・。日本も同様だが・・。- オリヴィエは彼らのリーダーとして、”会社では”奮闘中であったようだが、家庭ではそうではなかったようで、妻ローラは二人の子供を愛していたが、アパレル店の店員として働く中”ある客の姿を見て:キャッシュカードで支払いをしようとしたが、カード残高が足りなかった・・”気を失い、そのまま失踪する。 又、息子、エリオットの火傷も遠因であるようだ。 ーこの辺りも、描き方が粗い。だが、徐々にローラが不安定な精神状態にあったことが仄めかされる。理由もはっきりとは描かれないが、夜遅くにならないと会社から帰ってこないオリヴィエにも一因があるようだ・・。- ある日、ローラから”子供たちに”絵はがきが届く。文面は子どもたちへの愛の言葉で埋まっている。(オリヴィエには、一言も言及されていない・・) 投函先はフランス北部のカレーのヴィッサン、ローラの故郷である。 オリヴィエはそのはがきを読み、怒りのあまり、破り捨てる。子供たちはセロテープでつなぎ合わせる・・。 オリヴィエは仕事の関係もあり、妹のベティに二人の子供の面倒を頼むが、時折”父譲りの上から目線の言葉”をベティに”自ら気付くことなく”述べてしまう。それをベティから”お父さんそっくり”と非難されるが、意に介さない。 ー成程、ローラが家を出た理由が見えてきたぞ・・。- オリヴィエは会社の労働組合活動に従事するクレールと、関係を持ってしまうが、組合活動に深入りしたくないと表明すると、クレールから関係を途絶されてしまう。 ーおいおい、労働問題と男女関係を同テーブルで描くのかい?- そのクレールも組合活動は合わないと身を引くし、会社側の人事担当の女性も馘首されたことが、新たな人事担当の男性からオリヴィエに告げられ、 ー明らかに、人事担当としては権力の乱用が理由であることは明らかであろう。- オリヴィエは人事部門に来ないかと誘われる。 そこで、オリヴィエの取った選択肢とは・・ 〈ヌルイ邦題と(センスの欠片もない!)、可成り粗いストーリー展開に戸惑いつつも、フランスの”ある業界”の劣悪な雇用環境・条件を背景にした、家族をテーマにした物語。 確かに”パパは奮闘していた”が、本来奮闘するべき場”家庭、子育て”で父親としての役割を果たしていなかったことに彼自身が気づき、妻との関係性を修復しようと新たな一歩を踏み出す姿を描いた作品。 ”可成り上から目線で”、ギヨーム・セネズ監督、もう少し脚本を練り込まないと、観客はついてこないぞ!と思った作品でもある。>
え。
あんなに良いママが?
良いママに思われたくて無理しちゃったのかな?
それなら多少ズボラでダメダメでも逃げないママがいいな。
何があってもこどもを捨てるって最低だもんね。
病気なら仕方ない??
いや、自分はちゃんと準備して逃げてきちんとハガキ出す余裕あるなら誰かに託すなり、家族に弱音吐けば改善する事が出来たよね~。
あんなにカワイイ子、しかもふたり、、。
フランスでは事例が多いのかな?
フランスから家族(旦那と子供)残してひとり帰国した某、芸能人が浮かんだ。
残念。
唯一の癒し。
こども可愛い過ぎ💕
※追記
この映画の監督、離婚して子供を育てたらしいですね。
良くある話だったんですね💦💦
ブルーカラーの所得減
フランスは労働組合が強いから簡単に解雇にならないと思っていましたが、今作で描かれた状況が思ったよりも厳しかったので驚きました。フランスのデモもだからなのかと。ブルーカラーに限らず、世界中で中流が低賃金化で没落し、家族も崩壊しています。子育てや夫婦という概念も変化してきているのではないでしょうか。そういった変化を象徴しているのでは?と感じました。 邦題ですが、政治的メッセージが込められたクストリッツァ監督の「パパは出張中」をイメージさせたかったのではないかな?と思います。違うかな?
タイトルはパパは混乱中❗にした方がいいような感じ❗
星🌟🌟🌟他の方も書いていましたが決して父親が子供のために頑張る映画ではないので奮闘中のタイトルは良くないと思います❗主役も父親で子供を第一に考えるのではなく妻が居なくなって困惑している作品なので観ていて違和感を感じました❗でも観ていて親がしっかりしてないと意外と子供がしっかりしてきて父親を助けたりするので奮闘中なのは子供たちの気がします❗ホームドラマを期待していたのでちょっと内容が違って残念でした❗
仏映画->「Title:パパは~」->「泣けるHumanドラマ?」->「邦題詐欺やん!」
「仕事一筋でダメなところもあるが心優しき父親でもある主人公」が映画紹介文。へ???どこがやのん?正義感はある。妻も子供も愛してる。が自分の事しか考えられないヤツでしょ。だって人の話、全然聞かない。仲間への思いやり「みたいなもの」と心の優しさは違います。「他者への共感」が無いことないですか、この人。他者へ過剰に共感してしまう妻と、その逆の夫。家を飛び出してしまう気持ちは、判る。子供を置いて行く気持ちは、判らない。育児放棄してしまうような「女」ならまだしも、優しいお母ちゃんやん。どうしてなのかが、最後まで分からなかったです。
会社の中での昇格よりも、組合の専従職員の道を選んだ男。闘い続けるのも美しい姿ではあるが、息子くんの闘いも続くわけで。彼は応援したくなる。が、フランス映画なの?これ.....
いやいや、邦題変えろよ、が結論でした。いずれにしても、ほっこりしたかった。もしくは、すっきりしたかった。母親不在の喪失感を、少しだけ吹っ切ったラストが、逆に切なかった。
政権批判するのはアメリカだけとは限らない。
原題「Nos Batailles」で直訳すると=「私達の戦い」らしい。
「クレイマー・クレイマー」とでっかく書いてあるけど、あの原題は「Kramer vs. Kramer」で夫と妻の対立、妻が女性としてのアイデンティティの確立を願うのがテーマで、本作とは全く違うように思いました。
本作は「私達」の戦いです。
残業が多く、ミスするとすぐに解雇される。
ストレスフルで低収入な夫を支える為に、昼間は働き子育てと家事を一手に引き受け過労でぶっ倒れる妻。
いつしか擦れ違い、心身ともに疲弊して、夫を、家族を思いやれなくなって、妻蒸発。
これ、この夫婦だけの問題ですか?って話だと思う。
仏大統領の支持率は、いまだ30%以下。
トランプさんだって、46%なのに。
フランスでは、こんな生活と戦ってる夫婦が多いんだろうな。
ただ妻がなんで失踪したのか言及されず、またラストもはっきりしないので評価は低いみたいです。
少しだけ前向きになれた夫を応援したくなるラスト、私は嫌いではないです。
私達の戦い
自分は子育てをした事がない ですが、嫁がいなくなってからの違和感の感情 伝わらない時間軸 日々との葛藤 闘う人たちは成長する 素敵な映画とカット割 邦題がクソだっただけに とても良かった(´∀`)
大変なのはわかるけど
職場ではコミュニケーションも上手な「良い人」なのに、家庭では自己中なだけの人っているよね。それでその思いは「家族の誰も俺の大変さをわかってくれない」という自己中そのものという悲喜劇。 職場ではみんなが割り切って合わせてくれるからなんとかなるけど、家庭ではそうはいかないってことに気づくことが大事。 家族が壊れていくのも自分のせいなのに、妻が悪いし子供も悪いことにして悪循環。
邦題から想像するストーリーとは違う。
邦題、そして予告編から思い描いていた内容とは違い意外にシリアスな内容だった。 居て当たり前の人(ママ)が突然いなくなりパパは仕事と育児に大忙し。 でも、パパと子供達の間に足りなかった大切なものに気付いた... 結末にこの映画の結論はありませんが(続く…という感じ)この家族に明るい未来を感じました。(笑) 邦題を観ると誰もが明るい子育て奮闘記を想像すると思います。 実際はフランス語の原題の意味に合ったストーリーです。
題名、どうにかならないか…。
かなりニュアンスが違うよなー、この邦題。パパも弱いから家族皆で乗り越えましょう、って事がメインだと思うんだけど。パパだけの話じゃないよね。体よくハッピーエンドにまとめてない明日が見れるラストは好き。
娯楽作品としての期待は禁物ですよ。
フランスで毎週のようにマクロン大統領への抗議デモが起きていたニュースがあったが、もう収束したのでしょうか。 報道番組は、あまりその後どうなった的なことを教えてくれないですよね。 それはさておき。 下記は東洋経済ニュースからの部分引用。 『就任直後には、労働組合の抵抗を押し切って、企業の解雇手続きの簡素化や不当解雇補償額の上限設定などの労働市場改革を断行。』 この映画、まさにこれを言いたかったんじゃないでしょうか。たぶん、夫とか妻が、とか、男女の家事の分担だとかの従前からある問題は今の状況においてはどうでもいい、そんなのは雇用が安定してる時の贅沢な悩みだったんじゃないか。 そう思ってしまうほどフランスの中間層が崖っぷちに追い込まれているのかもしれない、と思いました。 日本では『万引き家族』のように明らかに経済的に困窮している方々を描く作品は出来ましたが、崖っぷち中間層を描いた映画は私のようなごく一般的な映画ファンが認識できる範囲では寡聞にして知りません。 EU諸国において排他的で過激な思想を持つ勢力が伸長しているようなニュースが時折報道されますが、一般的な日本人が思っているより、様々なフラストレーションが相当煮詰まっているのかもしれないという恐ろしさを感じてしまいました。 はっきり言ってヒューマンドラマとか娯楽的要素を期待して観にいった私には辛い時間でした。
奮闘していたのはお兄ちゃん
通販業者の倉庫でリーダーと働き労働組合活動にも熱心な主人公が、突然嫁に出て行かれる話。 小学生の息子と娘を抱えて仕事に子育てに嫁の行方捜しに悪戦苦闘するコミカルな話かと思ったら、これっぽっちもそんな描写はなく、外面は良くて一見家族思いにみえるものの、自己中で人の話を聞かないおっさんという感じ。 子供達に嫌われている訳ではないけれどというところから、若干の変化はあったものの、自分自身の子供の頃の家庭環境から思うところがあるからかも知れないが、それ程感じ入ったり学んだりした様子も見受けられず、大したみどころもなく終わってしまった感じ。
子育てなんて無理!なお父さんに捧ぐ
フランスにおけるシングルファーザーのワンオペ育児の大変さを描いた作品 まるで、自分の身に起きていることのようなリアリティがあって、次はどうなるんだろう…と、終始ドキドキして できることなら、助けてあげたくなってしまう そんな映画だった ネットショップの配送所で働く主人公のオリヴィエ(ロマン・デュリス)は、ある日突然、妻に家出をされてしまう それ以来、仕事も、家事も、幼い子供2人の育児も、全て、オリヴィエがこなさなくてはいけなくなってしまう 私には子供がいないので、育児の経験はないけれど、それでも、オリヴィエが置かれた状況には、身につまされるものがあった チームリーダーとして仕事を任され、職場ではいろいろ起きるし、家では、子供たちが母親を恋しがっている そんなオリヴィエの発狂しそうな心境が、すごく伝わってくる空気感があって そのリアリティがこの映画の魅力だと思った そして、この中で起きる様々な事柄について、こんな時、私ならどうするだろう… と、考えながら観ていた その時思ったのは、 こういう時に私には、助けてくれる人がいるだろうか ということと、逆に もし、私に近しい人がオリヴィエのような状況になったら、私はその人に何かしてあげられるだろうか… ということだった その全てを一人でこなすのは到底無理で、誰も幸せになれない 少しでも良いから、周りにいる人たちがサポートすることが大切だと感じた 日頃、家事や育児に不慣れなお父さんの目線でこの映画が作られているからこそ、ワンオペ育児の大変さが身に染みる作品になっている きっと、子供たちが好きな服や、好物のおかずすらも知らず、 かといって、仕事もあるから、そこに時間をかけている余裕もない オリヴィエのようにならないためにも、日頃から辛い時は「辛い」と言うことが、大事なことなんだと思う オリヴィエのように、どうにもならない思いは、家族にぶつければ良いし、自分一人で決められない家族のことは、子供たちと一緒に決めれば良い 周りの人たちも「ヘルプ」と言ってくれた方が手伝いやすい お父さんでも、お母さんでも、シングルになってしまったら、ワンオペ育児でがんばるのではなく、 周りの人たちと、その大変な思いをシェアすべきなんだと思った そして、この映画は、できることなら、日頃、お母さんに育児を任せっきりのお父さんにぜひ観て欲しい作品だと思った きっと、奥様の偉大さを感じるに違いないと思う
夫婦生活の議論は尽きない。
タイトルとのギャップにビックリ! 意外と深刻で深いテーマの映画でした。 実際殆ど笑えなかったし…。 でもこれは、家庭を持っている男女に是非見て夫婦生活の在り方を考えてみて欲しい。 ただ、一つ言えること。 それは、この映画に正解はないってこと。 夫が悪いとか、妻が悪いとか、そういう答えを探す映画ではありません。 こういう現状があることを知って、どうしたら互いが分かり合えたのか、考えてみるのが良いのかもしれない。 夫は仕事に邁進してばかりで、家庭を顧みる暇がない。 家事育児、子供の病気までも妻が全てを世話して、負担になっている…。 そんな生活が続いていれば、自ずと結果は見えてくる訳で…。 精神崩壊した妻が失踪してしまう気持ちも分からなくもない…。 よく、子供が可哀想、何もかもかなぐり捨ててどこか行ってしまう妻なんて、現実にはいない! という人もいるかもしれないけど、私の知り合いには実際そんな親がいたのも事実なので、一概にこれがフィクションとは思えませんでした。 でも、こういう話ってアジア圏に多くある問題だとばかり思っていたから、まさかフランスにもあるとはビックリ! フランスってもっと男女平等だと思っていたけど。 日本と同じで女性が家事育児を担っているのね…。 妻が出て行った後の、夫の必死な姿に同情したくなる気持ちもあるけど、妻の精神不安定な状態も心配…。 妻が心を病んだまま家庭に戻ってきて、気持ちを悪化させてしまったらという不安もあるし、このまま父子家庭となっていくのかという不安もある…。 不安の尽きない展開ばかりでした。 そんな複雑な内容が続く映画ですが、この映画の最大の魅力は、ラストにあります。 作品を完成させるのはお客様と監督もおっしゃっていたように、この作品のラストは答えがない…。 つまりは、問いかけて終わるという斬新な手法にあります。 あえて答えを作らず、全てを観客に委ねたその挑戦的な仕上がりには驚かされました! ついつい、答えを求めたくなるのが人間ですが、そこをあえて作らず問いかけさせるという…。 この映画を観た夫婦は、絶対家庭生活を議論したくなるはず! ただ、一つ納得いかないことが…。 『パパは奮闘中』という日本のタイトル。 これを見たら、絶対娯楽映画だと思ってしまいそう。 内容が内容だけに、もう少しリアリティのあるタイトルにして欲しかったなぁと思うのでした。 最後に…。 試写会では、監督と主演のロマンデュリスさんが登壇してくださいました! 想像よりずっと若くイケメンの監督は、自分の子育ての経験をこの映画に取り入れた様子。 実際監督も離婚して子供を育てたという、実体験が元になっていたとは。 さらにこの映画では、シナリオはあっても台本がなかったという話! 出演者はアドリブや、その場の状況に合わせて会話していたようです。 なので、言葉の掛け合いがすごくリアル! 切実な家庭の惨状が、とてもリアルに伝わってきました。 今回、日本での上映は初とのことで、とても貴重だ経験をさせてもらいました。 監督直々にお話を聞ける機会なんてなかなかない! こういった素晴らしい体験をさせてくれたFilmark さんの感謝です。 ありがとうございました。
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